SIM MAXは7番で28.5度、SIM MAX OSは26度とかなりの飛び系
SIM MAXアイアンはステンレス鋳造製法(ただし、番手によって同じステンレスでも素材は異なる)のアイアンで、基本的には「飛び系」に分類されるアイアンだ。フェース面の厚さは1.5ミリと非常に薄くし、貫通型スピードポケットと、スピードブリッジといった前作「M5」「M6」アイアンにも搭載されていたテクノロジーを踏襲し、高初速化を図っている。
ロフトは「M6」アイアンと同じく7番で28.5度とストロング。フェースが薄いと打感は悪くなりやすいが、エコーダンピングシステムと呼ばれるテクノロジーを搭載することで、それも解消しているという。また、シャフトはカーボン(TENSEI BLUE TM60)とスチール(KBS MAX85 JP)から選ぶことができる。
「高弾道・高初速・優れた打感、クリーンなルックス」を兼ね備えているのがメーカーの謳い文句だ。ホーゼルの重量を軽くするためのフルーテッドホーゼルといった工夫も含めて、テーラーメイドらしく“テクノロジーてんこ盛り”だが、見た目にはすっきりしたオーソドックスで打ちやすそうなアイアンだ。
SIM MAXはグローバルモデルながら「激飛び系」の味付け
一方のSIM MAX OSアイアンはどうかといえば、SIM MAXアイアンをさらに大型化、軽量化したというアイアン。ワイドソールでさらなる低重心化を果たし、高弾道・低スピンを狙った飛距離特化型アイアンだ。
そのロフトは7番で26度。激飛び系アイアンとして知られるヤマハのインプレスUD+2と同じロフト設定。グローバルモデルとして日本市場で人気の7番=26度前後の市場に参入してきたという格好だ(ただ、アメリカ仕様では7番のロフトは27度)。
ロフトが立っている分だけ長いのかといえばそんなことはなく、長さは7番で37.25インチとSIM MAXと同じ。2.5度ストロング化した分だけ当然上がりにくくなるはずだが、ワイドソールによる低重心化と、SIM MAX比約10グラムの軽量化によるスピードアップでそれを補っているようだ。
また、多くの場合激飛び系アイアンは番手間のロフト差が大きくなるため、PWとSWの間に2本のギャップウェッジが入るが、SIM MAX OSの場合PWの下にはAW、SWとウェッジは2本のシンプルな構成となっている。SWのロフトは53度と立ち気味。米国仕様では59度のLWがその下に入るようだが、日本仕様では設定がないようだ。
SIM MAXと素材・製法は同じステンレス鋳造。6番からPWまでの5本セットが基本で、4番、5番、AW、SWは単品で販売される。
SIMとSIM MAXはロフトは違えど長さ・製法は同じ
続いては、スペック面の比較。まずはロフトから比較してみよう。
【SIM MAX】 4番 (19度)、5番 (21.5度)、 6番 (25度)、7番 (28.5度)、8番 (32.5度) 、9番(38度)、 PW (43度)、AW (49度)、 SW (54度)
【SIM MAX OS】 4番 (17度)、5番 (19度)、 6番 (22.5度)、7番 (26度),、8番 (30.5度) 、9番(35.5度)、 PW (41度)、AW (47度)、 SW (53度)
続いては、長さだが、これはSIMとSIM MAXで設定が同じだ。
【SIM MAX/SIM MAX OS】 4番 (39.125インチ)、5番 (38.5インチ)、 6番 (37.875インチ)、7番 (37.25インチ)、8番 (36.75インチ) 、9番(36.25インチ)、 PW (35.75インチ)、AW (35.5インチ)、 SW (35.25インチ)
価格も両モデルで同じで、カーボンが5本セットで10万5000円+税、スチールが9万円+税となっている。単品はそれぞれ1本2万1000円+税と1万8000円+税だ。
「SIM」にはP790アイアンが対応する
さて、最後になぜドライバーは「SIM」と「SIM MAX」、フェアウェイウッドも「SIM」と「SIM MAX」なのに、アイアンは「SIM MAX」と「SIM MAX OS」なのかだが、テーラーメイドの説明によれば、「SIM」に対応するアイアンは同社の「P790」アイアンなのだという。
P790は中空構造で7番のロフトが30.5度の、ちょっと飛ばせるアスリートアイアンといった立ち位置のクラブ。2019年秋に発売されたばかりのこのアイアンがSIMシリーズには対応するということだ。また、ユーティリティクラブであるレスキューもSIM MAXしか存在しないが、SIMに対応するユーティリティは同社のユーティリティ「GAPR」となるそうだ。
SIM MAXの前作に相当するM6アイアンは2019年に非常によく売れたアイアン。果たしてSIM MAXアイアンも続けるか、注目だ。