ソニー・オープン・イン・ハワイではブレンダン・スティールのバッグを担いだ
先週開催されたPGAツアー「ソニー・オープン・イン・ハワイ」。最終日スタート時点で3打のリードを持って首位に立っていたのは、ブレンダン・スティール。ツアー10年目のベテラン選手です。
キャメロン・スミス(豪)にプレーオフで惜敗し、ツアー4勝目にはなりませんでしたが、今回注目したいのは優勝したスミスでもスティールではなく、スティールのバッグを担いでいたキャディ。スティールのスウィングコーチを務めるクリス・メイソンです。
英国出身、38歳のメイソンはカリフォルニア州サンディエゴを拠点として活動するコーチです。米インディアナ州にあるパーデュー大学でゴルフ部に在籍。選手として数年のプロ活動を経てからスウィング指導に専念したという人物です。
10年前からスチールや2017年全英女子オープン覇者のキム・インキョンを指導していましたが、近年はLPGA(米女子ツアー)のプロや、大学生/ジュニアゴルファーからの指導要請が増えています。現在はインスタグラムでも3万4000人からフォローされる(イケメン?)カリスマインストラクターとして人気急上昇中なんです。
LPGAツアーではキム・インキョン、アリヤとモリヤのジュタヌガーン姉妹、イ・ジョンウン6などメジャー優勝者を含め現在12人を教えています。PGAツアーではスティールの他にイ・キョンフンを指導しています。
また、今年日本ツアーに本格参戦するエリック杉本もメイソン氏の指導を仰いだ選手。昨シーズンは下部AbemaTVツアーで安定した成績を収め賞金ランク2位で“昇格”に成功しています。
メイソン氏が指導する学生ゴルファーはなんと約80人(NCAA大学生約35人、ジュニアゴルファーは約45人)。 その中には吉原英駿(UCLA)、山脇健斗(バークレー大)、欧陽子龍、杉本光(州立サンディエゴ州立大)など日本国籍の選手も多く含まれています。
お手本になるスウィングはジャスティン・ローズ
メイソン氏のツアープロへの指導方法の特徴は、メソッドや打法などのポジションに固執しないということです。弾道計測器のトラックマンも使いますが、やはりボールの打音と弾道をしっかり観察するのが大事だということです。
「世界ランク上位の選手でお手本になるのはジャスティン・ローズのスウィングだと思います。しかし私の指導するゴルファーとローズやタイガーのスイングのポジションを比べることはしません」
各選手のスウィング技術や、いつ次の試合があるかによって指導方法は異なるそうですが、大きく分けると下記の2通りになります。
【1】テクニカル、技術的な指導
【2】パフォーマンス、コースで対応できるようなシミュレーション
プレッシャー下でどのようなショットパターンが出やすいのかをしっかり理解させること。男子プロはヘッドスピードが速いので、左右両方のミスをできるだけ避けるように、右から左、または左から右に曲がるといったように、自分の持ち球を徹底すること。そして、その曲がりの幅を狭めることが大事だと教えてくれました。
「 私はとても優秀な生徒に恵まれていると感じます。 最近私の所に訪れる若い選手はゴルフスウィングのベース、基礎となる所がしっかりしている選手が多いので難しく考えさせるのではなく、考えをシンプルにしたり、選手自身が自分でスウィング修正できるように話し合うケースが多いですね」
と話すクリス・メイソン。8月は東京オリンピックで来日するでしょうから、今後もっと注目度が上がることは間違いないでしょう。
※一部誤字を修正いたしました