スプーンがうまく打てないのがジョニーの悩み
小澤:今日は3番ウッドをお持ちですが、お悩みはコレですか。
黒木:そうなんです。ティアップしているときは、飛ばしたくて力が入ると左に引っかけが出てしまい、ゆるめると右にスライス。あと地面からのショットの時には右にふける球が出ることがけっこう多いんですよね。
小澤:3番ウッドでどのくらい飛ぶんですか。
黒木:キャリーで260ヤードくらいです。
小澤:え、ドライバーは?
黒木:280ヤードくらいですかね。多く見積もってですよ(笑)。
小澤:3番ウッドを打つ時に、何か気を付けていることってありますか。
黒木:ミート率を上げたくてコンパクトに振ろうとし過ぎるので、バックスウィングでは体の捻転を深く入れることは意識をしています。
小澤:わかりました。ではやっていきましょう。
――さっそくボールを1発打つと、右目に264ヤード。2球目はナイスショットで真ん中に281ヤード、3球目は少し左に引っ掛け267ヤード
黒木:3球目はつかまえようとしちゃいました。
小澤:う~ん。たしかにそういう動きがでてましたね。バックスウィングのときの腰の回転がちょっと多かった感じがしました。
黒木:あ、回りすぎなんですか。
小澤:ジョニーさんは「捻転(ねんてん)」を深くしようという気持ちが強いあまりに、腰も一緒に回っていってしまっているんです。これは「捻転」ではなく「回転」になってしまっているんですよね。
黒木:あ、腰は回しちゃいけないんですか。
小澤:そうなんです。バックスウィングで腰はあまり動かさないイメージのほうがイイんですよ。腰などの下半身ごと回してしまうと、パワーが逃げて、クラブも軌道から外れやすいんです。
ーーそこで、バックスウィングで出来るだけ下半身を動かさないようにするために美奈瀬が挙げたポイントが股関節を抜かないこと。でも、『股関節を抜かない』ってどうやればいいのか?
小澤:アドレスして前傾姿勢をとったときにパンツの前側に出来た皺がそのまま残るようにしながらバックスウィングをしてみてください。次に気をつけたいのがアドレス。ストレートボールを打つ場合は、【1】足、【2】ひざ、【3】股関節、【4】肩、【5】目線、この5つのラインが基本的に揃うようにして構えます。
つかまったドローを打ちたい場合は、【4】の右肩を少し後ろに引いて構えます。そして、グリップをするときに右の手を後ろからもってくるようにして構えましょう。こうすると右ひじが体の近くになるのでプレーンがインサイドアウトになりドローが打ちやすくなってくるんです。
――小澤のアドバイスを受け、再び打ち始めた黒木。すぐに感覚をつかみ、2球目にはまっすぐに291ヤードを叩き出した。引退して10年以上経っているが、さすが一流アスリートだ。
黒木:キタキタキタ! この右手のグリップが分かりやすくて良かったですね。詰まる感じがなく、クラブが抜けるスペースができるかんじで振りやすいです。
小澤:素晴らしいスウィングで惚れ惚れしますね。今回の3番ウッドのレッスン、いかがでしたか。
黒木:肩のラインのアライメントで球筋をドローを打つというのは分かりやすかったです。あと、グリップをするときに右手を下からもってくることでドローが打ちやすくなるというのは、これは凄くイメージがでましたね。
協力/ヒルズゴルフアカデミー