独特なネック形状にマキロイも興味津々
ケンジロウです。アメリカ西海岸・サンディエゴのトーリパインズGCよりお届けしております。今週はPGAツアーの2020年米本土初戦、ファーマーズインシュランスオープンに来ております。
例年そうなんですが、1月下旬のサンディエゴはけっこう寒いんです。メキシコとの国境にも近く、アメリカの中でもいちばん南部にあるのですが、海沿いということもあって、日中は常時冷たい風が海から吹いてきます。
朝夕などは特に冷え込み、吐いた息が白くなるほど。選手たちはセーターなどを着こんだり、ニット帽をかぶったり、手袋をしたりして寒さ対策しています。僕も昨年の取材で寒さにこりごりした記憶があったので、今年はちゃんとダウンジャケットを持ってきましたよ。
さて、そのファーマーズですが、練習グリーンの周りには各メーカーの最新パターが所狭しと並んでいました。テーラーとキャロウェイが新作のドライバーを出して話題になっていますが、その陰でパターも各メーカー新しいモデルを投入しているんです。
その中でもいちばん目を引いたのが、テーラーメイドの新しいパター「TRUSS」(トラス)です。
TRUSSとはいったいどんな意味か? 辞書によると、「TRUSS」とは
直線的な材料を用い、三角形を基本単位とする構造の骨組みで、各部材の節点を回転自由なピン接合としたもの。屋根組み・鉄橋などに使用。
と書かれています。
確かに屋根組みや鉄橋などは三角の構造になっていますよね。写真を見てもらえればわかると思いますが、このヘッドもネック部分が三角形状になっています。
ヘッドはマレットタイプとブレードタイプの2種類あり、さらにそれぞれにネック違いがあって、計4モデルがラインナップされています。
ソールにモデル名の表記があって、「TM」がマレットタイプで、TM1がヒール側にネック、TM2がセンターネックでフェースバランスになっています。
「TB」がブレードタイプで、マレットと同様にTB1がヒール側にネック、TB2がセンターネックでフェースバランスモデルになっています。
ではこの三角にいったいどんな秘密が隠されているのか? その場にいたテーラーのツアー担当者に聞きました。
「テニスのラケットを想像してみてください。柄と面をつなぐ部分が三角になっているでしょ? あれと構造は一緒。面を支える点が一点ではなく二点になることで、芯を外したときのブレが非常に少なくなるんです。つまりオフセンターヒットしたときでも、フェースがねじれづらい。また三角ネックによってMOIが高くなったことで、無理にヘッド重量を上げる必要がなくなり、ストローク中にヘッドが後ろにもたれることがなくなりました」
なるほど。ちょっと素振りをしてみると、確かにフェースバランスのパター特有の“もたつき”がない感じ。「クラシカル形状のヘッドだけど、スパイダーの安定感を持っている」といったところですかね。
よく考えましたよね、この構造。三角の部分がパッと見で気になるかなと思いましたが、意外とすんなり構えられそうですね。
先週のデザートクラシックからツアーで展開が始まり、早速選手たちが練習ラウンドに持って行っていってその性能を試している様子です。
練習グリーンに現れたロリー・マキロイもその「TRUSS」パターを興味津々に見ていて、ブレードタイプのTB1を試していましたよ。スパイダーXがお気に入りで、昨年はそのスパイダーでけっこう入れていましたからさすがにいきなり変えることはないかな?
選手たちがどんな反応を見せるか、しばらく注目してみていきましょう。
オデッセイはトリプルトラックパターを投入
一方、練習グリーンでは他にもオデッセイの新種のパターがお目見えしていました。昨年、キャロウェイでは3本の線を引いた「トリプルトラック」のボールが流行りましたが、そのガイドラインがパターに入ったモデルがラインナップされていたんです。
ヘッドの上部に青と赤の3本線が描かれていて、とてもラインを意識しやすいモデル。いろんなヘッド形状がありましたが、その中には2ボールや2ボールブレードもありました。
白い丸の部分に3本の線が引かれていて、ボールのラインとヘッドのラインを合わせるとかなりイメージが出ますよね。
ちなみにシャフトはストロークラボでフェースはマイクロヒンジインサート。今までのオデッセイの機能のいいとこどりのようなパターですね。
オデッセイのツアー担当者によれば、先週の試合ではすでに3人がこのトリプルトラックパターを使ったそうです。今週の試合、まだまだ使用者が増えそうですよ。
写真/姉﨑正
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