「飛ばさないアドレス」を作ることが大事
グリーン奥に切られたピンを狙ったらわずかにオーバー。10ヤード未満の短い距離だが下りのアプローチが残ってしまった、という経験はないだろうか。
ごく短い距離の場合は「パターも非常に良い選択です。まず最初はパターの転がしで寄せていけるかどうか、というところを見極めていきたいですね」と言うのは、USLPGAティーチング会員の資格を持つ人気美女プロ・小澤美奈瀬だ。
ただし、下りが強い場合はパターだと転がり過ぎてしまう恐れや、グリーンカラーでのスピードが読みづらいというリスクもある。
そこで覚えておきたいのが、ウェッジを使った10ヤード未満のアプローチだ。「ウェッジはスピンがかかりやすいですから、下りでも転がりが少なくなるというメリットがありますよ」と小澤。今回はピンまで約7ヤード。グリーン奥からのため、下りの傾斜が強い状況で実践してもらった。
小澤は58度のサンドウェッジを選択。まず注意したいのが、アドレスだ。通常のショートアプローチと同様の構えをとると「基本的にミスショットになってしまいます」と小澤。10ヤード未満のアプローチでは“飛ばさないためのアドレス作り”が重要だという。
「まず、ボールに思い切り近く立ちます。そしてクラブを短く持ちます。この2つは、飛ばさないために重要なアドレスの要素ですね」(小澤、以下同)
さらに、ソールの仕方、ボールのセット位置にも一工夫してみてほしいと小澤。
「ヒールを少し浮かせて、トウ側だけを接地させた状態で構えてみましょう。ボール位置は、フェース面トウ側の、溝があるところとないところの境目を目安にセットしましょう」
これで飛ばさないアドレスが完成。あとはパターと同様にバックスウィング、ダウンスウィングが等速になるようなストロークを意識して打ってみよう。
「キャリーもランも出なくなります。速いグリーンでもしっかりスピンがかかって止まってくれますよ」
10ヤード未満のアプローチの基本形はこれで完成。距離調節に関しては「同じ振り幅でロフトだけ立てて打ちましょう」と小澤。
もうひとつ、アプローチで理想の結果を実現するうえで大事な要素は「目線」だと続ける。
「カップに目線を向けながら構えてしまうと、カップに対しての距離感を意識してしまいキャリーが出過ぎる恐れがあります。カップ方向は見ずに、落としどころだけを見て打っていくイメージですね」
もちろん転がしで寄せきることができるならばそれに越したことはない。が、パターが使えない状況は100%ない、とも言いきれない。グリーンによってパターとウェッジの使い分けができるようになると、よりプレーにも幅が生まれてくるだろう。
写真撮影/野村知也 協力/きみさらずゴルフリンクス