21世紀生まれのツアールーキー
いよいよ開幕が近づいてきた女子ツアー2020年シーズン。その注目選手の一人が、笹生優花選手です。同じく2020年シーズンからツアーに参戦する安田祐香、古江彩佳選手らプラチナ世代よりもさらに下の世代、2001年生まれの18歳。フィリピン出身で、ゴルフは8歳から始めたそうです。
アマチュア時代から2019年「オーガスタ女子アマチュア」3位タイ、日本女子ツアー「宮里藍 サントリーレディス」7位タイと、存在感を放っていました。2019年のプロテストを18位タイで通過し、QT(予選会)28位の成績によって前半の出場権を獲得しています。
アマチュア時代から実績を残してきた彼女の強さの原動力は、ドライバー。「宮里藍 サントリーレディス」では4日間平均飛距離が264.250ヤード。圧倒的な飛ばしで出場選手中1位の数字を叩き出しています。
体の強さや柔軟性、そしてセンスがかなり良いんですよね。スウィングはロリー・マキロイを参考にしているそうで、たしかに“女版マキロイ”と言うにふさわしい力強さがあります。
とくに素晴らしいのが、切り返し(写真A)。フラットなトップから、上半身、胸骨から上の部分と下半身との捻転差がしっかり作られていますよね。
インパクト付近では切り返しで沈み込んだぶんしっかり蹴り上げ、地面反力を使ってヘッドスピードを上げています(写真B)。写真を見ると、左足がめくれ上がっているほどですね。
昨年から成田美寿々、川岸史果選手らを指導する井上透プロコーチのサポートを受けているそうで、井上コーチも「まだ粗削りな部分はありますが、彼女のポテンシャルは楽しみですね」と話しています。
ドライバーでこれだけ飛ばしますから、アイアンでもしっかり高さが出てボールが止まるはず。試合ではアグレッシブにピンを攻めてくるのではないかと思います。
序盤戦で自信をつけることができれば、昨年の渋野日向子のように複数回優勝もあり得るポテンシャルを持った選手と言えるでしょう。女子ツアーのレベルはますます高くなりそうですね。
撮影協力/横浜本牧インドアゴルフ練習場