新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くのゴルフ場が公式サイトに感染防止に関する“お知らせ”を掲示している。その趣旨は、
1.施設内には消毒液を設置
2.従業員はマスク着用
3.手洗いの励行
4.体調不良の場合は利用を控えること
といった内容が主。なかには2月28日から3月15日の期間はキャンセル料を徴収しないという一歩踏み込んだ内容を伝えるものもあった。
それら注意喚起を行った上で、多くのゴルフ場は通常営業を続けている。それではゴルファーの“入り”はどうかといえば、千葉県のあるゴルフ場の関係者によれば「コンペは数件キャンセルが出たが、さほど大きな影響はない」のだという。
「ゴルフは屋外でするスポーツであることもあってか、個人のラウンドが減っているということはほとんどありません。ただ、コンペなどは表彰式をコンペルームである程度長い時間行うこともあり、キャンセルにつながっているようです。コースとしては、従業員がマスクを着用し、手洗いを徹底するなどして、最大限予防に努めてお客様をお待ちしています」
複数のコースに聞いてみると、やはりコンペは減少傾向で、実施する場合もビュッフェスタイルを避けるなどしているという。しかし、個人で予約するゴルファーに関しては、大きな影響は出ていないようだ。
女子ツアーは中止となったが、クラブ競技はどうかといえば、あるゴルフ場グループによれば「コース主催の月例などの競技は今後の政府の発表によるが、実施予定」とのこと。
政府が発表した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」によれば、新型コロナウイルスは「一般的な状況における感染経路は飛沫感染、接触感染であり、空気感染は起きていないと考えられる」とある。それだけに、オープンエアかつ広大な敷地を使って少人数で行うゴルフの場合、感染対策をしっかりと行った上でのプレーは問題ないと判断する人が多いのかもしれない。
もちろん、そのためには行き帰りの交通機関はもちろん、ゴルフ場のレストラン、フロント、風呂場、洗面所等ではゴルファー・コース側ともに感染予防に努めることが必要だろう。
先週末にプレーを楽しんだという神奈川県在住のゴルファーは言う。
「ゴルフ場はむしろ普段より混んでいたほど。私は念のため、風呂場の利用は控えましたが、そのほかは普段のゴルフと変わりませんでした。クラブバスが混んでいたので、通勤電車と同じようにマスクを着用し、アルコール消毒もこまめに行いましたね」
自粛ムードが広がるなか、ゴルファーたちは個々で状況を判断しつつ、最大限の注意を払った上で、ゴルフ場に足を運んでいるようだ。いずれにせよ、ウイルスを心配せず、自然のなかで思い切りゴルフを楽しむ。そんな日常が戻って来ることを、今は願うのみだ。