編集部:前回は時代も男女も問わずベストスウィンガーを挙げてもらいましたが、今回は今年の国内女子ツアーに出場する選手たちからひとり挙げてください。
黒宮幹仁(以下黒宮):難しい……けど、一人だったらパッと出てきます。
目澤秀憲(以下目澤):うーん、二人いるんだよな~。
編集部:では黒宮コーチから選んだ選手と理由を教えてください。
黒宮:僕はシン・ジエさんです。去年は自分が教えている松田鈴英と回る機会もあったのですが、ティショットから100ヤード以内まで、フルショットのリズムがどれも変わらないんです。どのクラブを持っても、どのスウィングをしても、絶対加速して振り抜けている。
編集部:そのメリットは?
黒宮:プレッシャーかかったときに一番強いんですよね。あとは球の高さであったり、ボールを曲げることも、男子みたいな感覚でできる。僕の中でベストスウィンガーですね。
目澤:正統派だよね。
黒宮:僕はスウィングがいい人って、フェアウェイバンカーが上手い選手だと思っているんですけど、アゴが高いところとか、普通打てないだろうっていうところをサラッと打っていけるのはシン・ジエさんしか見たことないですね。
目澤:僕は松田鈴英ちゃんと小祝さくらちゃんを選びました。2人とも天才ですよね。
黒宮:小祝さくらちゃんは天才だと思う。
目澤:いや、僕からしてみたら二人とも天才だと思うけど。
黒宮:鈴英はどうかな~(笑)。
目澤:(笑)。松田鈴英ちゃんは女子プロのなかでも大柄な子で、手足も長くて、女子プロのなかでも「できることが増やせる」というのが凄い魅力だと思います。スウィングのキレだけでいっても目が止まります。
編集部:小祝さくらプロは?
目澤:小祝さくらちゃんを選んだのは、鈴英ちゃんと対極にいる選手だからです。体格が凄い大きいわけじゃないけど、さくらちゃんが(体格的には)できるスウィングじゃないスウィングをしている。もっと“向こう側”でゴルフしている感じ。
編集部:具体的にいうと?
目澤:自分の出せる出力以上のものが出せるし、なおかつプレッシャーかかったときにもコントロールできているという印象があるんです。彼女の練習している姿を見てても、インパクトの力感とかも凄くて、こんな厚く当てられるんだと思いますね。松田鈴英ちゃん、小祝さくらちゃんはスウィング面で今後もっと変化がでてくる選手のだと思いますね。
編集部:黒宮コーチから見て、この二人はどうですか?
黒:鈴英の場合は僕が教えていますが、たしかに身体能力に恵まれています。さくらちゃんの場合は黙々とひとつのことをやり続けて形にしているんだろうなというのは見てわかりますよね。二人の共通点は努力しているところ。スウィングの効率を見ても本当に(ひとつのことを)やりきれる二人なんじゃないのかなと思いますね。
編集部:これからさらなる活躍が期待できる二人ということですね!
(つづく)