“シニアルーキー”のアーニー・エルスが初優勝
昨年10月に50歳になったメジャー4勝のアーニー・エルスが、カリフォルニア州開催のシニアツアー(PGAツアーチャンピオンズ)の「ホーグクラシック」で初優勝を飾りました。
私は土曜日と最終日に、現地でエルスやフレッド・カプルスのプレーを観ていました。多くの選手が手強いキクユ芝のフェアウェイやラフ、そしてポアアヌアのグリーン芝で苦労する中で、エルスは3つのパー5できっちりとバーディを奪い勝利。
最後の優勝は2013年の欧州ツアー「BMW選手権」。PGAツアーというくくりで見ると2012年の全英オープン以来になるので、久し振りの「ビッグイージー」の栄冠を見ることができました。
ちなみに今大会の冠スポンサーはカリフォルニア州オレンジ郡にある非営利の地域医療提供ネットワーク会社ということで、優勝したエルスにはお医者さんの白衣が送られていました。
2018年よりゼクシオシリーズを愛用しているエルス。今週は試合会場の近所、ハンティントンビーチにあるスリクソンの工場を訪れ、高弾道のイメージに調整したゼクシオイレブンドライバーとシャフトに「一目惚れ」し、早速実戦投入したエルス。すると2日目の「64」でトップに浮上。最終日は風が強くなる予報があったということで以前使っていたゼクシオイレブンに戻したそうですが、華麗なリズムで振るハイドローボールは50歳になっても健在でした。
今年は夏に甥っ子のヨバン・レブラ君がプロ転向するということもあり、「彼の活躍は本当に楽しみにしているよ。しっかり大学(米アラバマ州オーバーン大学)で4年間頑張ったのは高く評価している。パワーアップして距離も出るし、来週はフロリダに来て春休みを一緒に過ごす予定で、プロ転向時のウェアやクラブなどの契約の相談をするつもりなんだ」と笑顔で教えてくれました。
エルスと言えば、昨年末開催された「プレジデンツカップ(米国選抜と世界選抜の対抗戦)」で世界選抜チームの主将を務めましたよね。キャプテンとして松山英樹を観察する機会があったエルスに「ヒデキに関して何かコメントはありますか?」と尋ねたところ、「Hideki got everything (ヒデキはすべてを備えているよ)」と“ベタ褒め”なコメントが返ってきました。
「強いて挙げるとしたらパッティングだと思う。彼自身がパッティングでしっくり心地良く感じることができ、ハッピーになれば結果はついてくるはず。ショットの切れ味は抜群だし、既に素晴らしいキャリアを築きあげている。プレジデンツカップではいろいろ話をする機会があったんだけど、ヒデキの才能、能力、熱意は凄いと思うし、彼のすべてが大好きだよ。あとはひとつのことを信じ、それを貫き通す信念が大事だと思う」と熱く語ってくれました。
50歳以上のプロゴルファーを対象とするPGAツアーチャンピオンズにはエルスのほかにレティーフ・グーセン、アンヘル・カブレラなどが既に参戦中。今年はフィル・ミケルソンやジム・フューリックなども50歳になるということでメジャー優勝者の参戦が増え、一層注目が上がりそうですね。