スポーツでも、日常生活でも、我々の暮らしはストレスとは切り離せない。まして、今の新型コロナウイルスの影響下では、ウイルスへの恐怖から、大きなストレスを抱えている人も少なくないだろう。そのストレスを軽減するには「恐怖を減らし、危険に対応する」ことが有効だとプロも教えるメンタルコーチ・池努はいう。果たしてどういうことか?

前回の記事では新型コロナウイルスの影響でのストレス軽減の案として「自然」をうまく活用することを提案していきました。今回もストレス軽減についてのご紹介をしていきます。今、現代人の頭の中には「いくつもの大小の不安」が存在しているかと思います。そして、それらの不安は当然、大きなストレスになります。

約7万人の高齢者を10年以上追いかけた観察研究では日常の不安レベルが高い人は脳卒中や心疾患のリスクが30%近く上昇したそうです。それらくストレスは私たちの心身に影響を与えているのですね。

今回の新型コロナウイルスに影響する不安も当然、私たちの頭の中にあるでしょう。できれば、不要な不安、過度の不安などのストレスは減らしておくことは私たちの心身にとって健全なはずです。では、どうすればこのような不安は軽減できるのでしょうか?今回1つの軽減案があります。それが「恐怖を減らし、危険に対応する」ということです。(※ちなみに私がおすすめするストレス低減策ですのであくまでの一意見として読んでください)

ちなみに恐怖とは恐ろしく感じることです。「前のホールみたいに今回のティショットもOBになりそうな気がする」これは恐怖です。恐怖は「感じる」ことなのでたとえ同じ新型コロナウイルスでも人により恐怖の度合いは違い、大きな恐怖を感じる人もいれば、あまり恐怖を感じていない人もいます。つまり、とらえ方で恐怖は大きくも小さくもなるのです。

おそらく、自宅にいる時間が長く、TVやインターネットなどメディアから情報を得る時間、回数が多い方ほど、不安を煽られるタイトルや内容の情報が入れることで「コロナは恐い」とより強く刷り込まれ、とらえられる傾向にあるはずです。そうすると恐怖はどんどん大きくなります。

逆に私がサポートしているプロアスリートは日中、外でトレーニングをしている方が多いのでメディアからの情報に触れる時間が少なく、不必要な情報に煽られることが少ないこともあり、良い悪いは抜きにして恐怖は小さいように感じます。このように恐怖とはとらえ方次第で大きくも小さくもなるのです。

画像: 「恐怖を減らし、危険に対応する」のはコロナだけでなくゴルフマネジメントでも同じことだ(撮影/増田保雄)

「恐怖を減らし、危険に対応する」のはコロナだけでなくゴルフマネジメントでも同じことだ(撮影/増田保雄)

次に危険ですが危険とはあぶないこと。未来において損害や損失が発生する可能性があることを指します。これはコロナに限ったことではないのですがこの時期に不特定多数の人混みの中に入ることは当然感染リスクが高くなるのであぶないですよね。これは「危険」です。

この危険はとらえ方で大きくも小さくもなるものではなく、基本的に場所や年齢、健康状態などの条件が同じであれば危険度は同じですね。ゴルフでいうと、フェアウェイが極端に狭くOBになりやすいホールでは腕前が同じであれば誰もが同じOBへの危険度であるはずです。

このようにまずは恐怖と危険の意味を理解しましょう。そして、今回のストレス軽減案は「恐怖を減らし、危険に対応する」ということです。まず今、私たちは新型コロナウイルスへの不要な恐怖を増やさないことが大事です。

たとえば、ニュースを聞き流しにしている状況だとインパクトある情報が恐怖を駆り立て、度を越えた恐さがストレスにつながってしまいます。情報に触れる時間を不用意に多くすることはストレス面から言うとおすすめできません。

ニュースを見る時間は朝、夕の10分だけにするなどし、恐さを制限した上で、もっとも私たちが目を向けるべきことは自分や家族の危険を減らすためにどんな行動をすべきかです。危険は自分の行動次第で減らすことができますからね。

人混みには可能であればいかない選択をする。消毒液を常に持参する。マスクを使用する。免疫に効く食事や運動をする。このように「恐怖を減らし、危険に対応する」ことでストレスを軽減するというひとつの視点をご紹介しました。

自分がコントロールできないことは手放し、自分がコントロールできることに目を向ける。それはストレスマネジメントとしてとても重要な視点です。

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