ほぼ水平に振ってアプローチ
美女プロ・小澤美奈瀬が挑戦するのは、週刊ゴルフダイジェストで連載中のゴルフ漫画「オーイ! とんぼ」第113話(単行本13巻収録)で主人公の少女「とんぼ」が披露した強烈なつま先上がりからのショット。
550ヤードのパー5の3打目。ボールはフェアウェイバンカーの縁付近に止まったが、スタンスはバンカー内という状況で、残りの距離は90ヤード。キャディは9番アイアンで打つよう薦めたが、とんぼは6番を選択。フェースを大きく開いて打ち、見事ナイスオンを決めた。
小澤がこのスーパーショットの再現を行ったのは千葉県・きみさらずゴルフリンクスの14番ホール。漫画とまったく同じ状況のホールを見つけることは難しいので、グリーンまで残り45ヤード地点の深めのバンカーから、8番アイアンを使ってトライした。
まずつま先上がりの基本的な注意点をおさらいしよう。
「つま先上がりでは基本的にフェース面が左を向きやすいですね。これほど強烈なつま先上がりの場合は、普通に目標に対してスクェアに構えてしまうと大きく左に外してしまいます」
左へ行かないようにするためには、そのぶんだけスタンスを右へ向けて構えるのがオーソドックスな対策法だが、とんぼは長い番手でフェースを大きく開くことで対応した。これはなぜなのだろうか。
「90ヤードを打つときって、だいたい52~58度のウェッジで番手の距離通りに打っていくのがオーソドックスですよね。ただ、つま先上がりの場合はロフトが寝ているクラブほど左への引っかけが起きやすいです。そこで、距離通りの番手よりも長めのクラブを選択して、フェース面を大きく開いて思い切り真上に向けるように構える。すると、リーディングエッジはかなり右を向いているんですけどフェース面自体は打ち出したい方向に向けることができるんです」
「結構勇気がいる構えですけど、フラットに振れば狙い通りに打てると思うので、実際にやってみます!」と小澤。野球のようにほぼ水平に振っていく形だが、はたしてピンに寄せることはできるのか。
数球トライしてみたところ、しっかり打ち出し方向は合っているのだが、距離が安定しなかったり、きみさらずゴルフリンクスが難グリーンであることも相まってグリーンオンしても寄せ切ることはできなかった。
「うーん、難しいですね。成功したときはフワッと飛んでいくんですよね。突っかかる感覚がなく抜けが良い状態で、フェースにボールに乗るのが打ちながら見えるくらいです。ただ、これを試合で使うかと言われたら……要練習ですね(笑)」
プレー中に起きうるシチュエーションではあるので、「距離なりよりも少し長い番手で、フェースを開いて構える」というワンポイントだけでも覚えておいて損はないだろう。
「あと、ミスショットしたときにあらぬところへ飛んでいきやすいので、実践する際は同伴者には避けてもらい、セーフティな環境を作ってトライしてくださいね」
協力/きみさらずゴルフリンクス