入れにいったり飛ばしにいくと“流れ”が切れる
以前、ゴルフは麻雀に似ているところがあるというお話をしました。そのときは、上手い人は配牌が良く、そうでない人は配牌が悪い。しかし、配牌がいいからといっていい役であがれるとは限らないし、配牌が悪いからいい役で上がれないとも限らない。ただ、配牌が悪いのに無理に攻めるのは良くない……そういった趣旨の話をしました。
それを読んだ方から、「そういえば、ゴルフも麻雀も流れがあるのも共通点ですね」と言われました。なるほど、たしかにその通りです。
麻雀では、突然やることなすことうまくいき、親の連チャンがいつまで経っても終わらない……かと思いきや、不用意なミスから一気に流れが悪くなり、一転なにをやっても上手くいかなくなるなんてことがよくあります。
麻雀は運も大きく作用するゲームなので、より流れが重視されるのだと思いますが、ゴルフの場合にも流れはあります。しかも、それは人為的にコントロール可能です。
たとえばグリーン上。今プレーしているホールでファーストパットを大きくオーバーさせてしまった場合、次のホールのファーストパットは、よほど意識していないとショートします。
たとえばティインググラウンド。距離を出そうと思い切りマン振りした場合、セカンドショットでコントロールショットを行うのはかなり難しくなります。
前者はメンタルの問題、後者はフィジカルの問題ですが、いずれも前のホール、前のショットの“流れ”が次のホール、次のショットに影響する例と言えると思います。
すべてのプロゴルファーはドローとフェードを打ち分ける技術を持っていますが、一方で多くのプロは実戦でフェードならフェード、ドローならドローばかりを打ちます。これは、ラウンド中に一度持ち球と異なる弾道を打つと、スウィングの“流れ”が途絶え、修正に時間がかかることを知っているからです。つまり、上手い人ほど、麻雀のような運の“流れ”ではなく、スウィングの流れ、メンタルの流れを意識してプレーしているのです。
よく、飛ばし屋の方がドライバーをマン振りしてセカンドショットでウェッジを持ち、そこから大ダフリしたりします。私も昔はよくやりました(笑)。これは、スウィングの流れが途切れているいい例。ティショットとセカンドの流れ=力感を揃えることをティーイングエリアの段階で意識できていれば防げたかもしれないミスです。
入れにいく、飛ばしにいく、曲げにいくといった流れを途切れるプレーを自重し、ショットとショット、ホールとホールの流れを意識してプレーする。それだけでも、意外といいスコアが出ちゃったりするかもしれませんね。