コブラの2020年最新ドライバー「スピードゾーン」「スピードゾーンエクストリーム」の2モデルを、ギアオタク店長ことクラブフィッター・小倉勇人が試打。性能比較・解説してもらった。

日本人の祖父を持ち、日本でもファンの多いリッキー・ファウラーや、超理論派で「ゴルフの科学者」と異名を持つブライソン・デシャンボー、ダイナミックなスウィングで男子顔負けの飛距離を持つレクシー・トンプソンなど個性豊かで実力、人気共に申し分ないプロを契約選手に持つコブラ。

そんなコブラの最新ドライバーが、スピードゾーンシリーズ。個性豊かな契約プロが結果を出し続けるコブラの最新作は一体どんなクラブなのか!? 早速クラブフィッターの小倉勇人氏に解説をお願いした。

画像: コブラの最新モデル、スピードゾーンシリーズのドライバー2モデルをクラブフィッター・小倉勇人氏が試打した

コブラの最新モデル、スピードゾーンシリーズのドライバー2モデルをクラブフィッター・小倉勇人氏が試打した

「今回のモデルは、レーシングカーの開発からヒントを得て、ゴルフクラブの性能を高めるための要素を6つのゾーンに分けて考えて開発したそうです。その6つとは、『パワー』『強度』『軽量』『低重心』『空気抵抗』『安定性』。高強度のフレームを開発することで、ヘッドの表面積にカーボンを多用することが可能になり、軽量化を実現させています。その分の余剰重量を最適なポジションやウェートに配置することで低重心にもなっていますね。またインフィニティフェースと呼ばれる鍛造製法にミルド加工を施されたフェースは、高い反発力を生み出すとともにヘッドの外周部にあたる部分に丸みを持たせることでヘッドシェイプと合わせてスウィング中の空気抵抗を減らすことにも成功しています。オリジナルな考え方や技術が搭載された独創的なモデルに仕上がっていますね」(小倉氏、以下同)

最新作であるスピードゾーンシリーズのドライバーラインナップは、スピードゾーンドライバーとスピードゾーンエクストリームドライバーの2モデル。それぞれどんな性格分けがされているのだろうか。

「スピードゾーンドライバーは、ソールのフェース寄りと後方にそれぞれ重量の違うウェートが搭載されていて、これを入れ替えることで重心深度を調整でき、好みに合わせて弾道を調整することができます。さらには別売りで重量の違うウェートが用意されていますので、シャフトの重量や長さに合わせてヘッド重量を調整することもできます。より自分のスウィングに合った仕様にチューンナップできるようになっているのが特徴です」

画像: スピードゾーンドライバー

スピードゾーンドライバー

ネックにはロフトとライ角を調整できる弾道調整機能を搭載。形状は、ややトウ側とヘッド後方に角を持つ丸みのある三角形のフォルムで、投影面積は大きめだが「黒いカラーリングで鈍重さはないですね」と小倉氏。実際に小倉氏がスピードゾーンドライバーを試打した感想を聞いてみよう。

「弾道は低スピンのゆっくりと飛んでいく重たい感じ。強振してもあまり球質は変わらないので、安定して効率の良い弾道が打てそう。振れば振るだけ飛距離に繋がりやすいクラブだと言えます。つかまりに関してはニュートラルといったところ。フェースローテ―ションを大きめにしても比較的スクェアに戻しやすいのが良いですね。今どきなシャットスウィングでも目標には打ち出しやすく、どちらのスウィングでも使いやすい性能です。インテンショナルで曲げることはできますが、私のパワーでは多少曲がるかな? ぐらい。基本は直進性が高い仕様になっています」

もう1本のモデル、スピードゾーンエクストリームドライバーはどうだろう?

「エクストリームの方は、搭載テクノロジーは同じですが、ウェートがソール後方に一つだけになっていて、よりミスへの寛容性を高めたモデルになっています。投影面積も少し大きくなっていて、ライ角もアップライトに設定されており、スピードゾーンと比べて、ミスに強くつかまり具合を高めたモデルと言えますね」

画像: スピードゾーンエクストリームドライバー

スピードゾーンエクストリームドライバー

では、スピードゾーンエクストリームを打った小倉氏の感想を聞いてみよう。

「打ってみると極端につかまり性能が上がっているという感じではないですね。フェースの回頭性といいますか、ターンはさせやすくなっているのですが、フックボールが出るような感じではありません。インパクトでスクェアに戻しやすくなっているので狙ったところに打ち出しやすくなったといった印象です。球質は直進性がさらに上がった印象。打点のミスにも強くなっていますね。打ち出し角も同じロフトで打つと少し高くなった印象があります。ヘッドはターンさせやすいがつかまり過ぎず直進性が高いといった仕上がり。個人的には、つかまりを高めたモデルより安定した弾道が打てる仕様のモデルになっていると思います」

2モデルを打ち終わった小倉氏。2モデルとも共通して「打感の柔らかさが印象的でした」と小倉氏は言う。

「打ってみると2モデルとも、柔らかな打感が気持ち良いです。海外ブランドは弾き感の強い硬めの打感が多いのですが、フェースに吸い付くような気持ち良い感触が味わえますね」

それぞれに個性があるスピードゾーンシリーズ。どんなゴルファーに向いているかを含めたまとめをお願いした。

「スピードゾーンドライバーは、やはりアスリートに向けたモデルですのである程度ヘッドスピードがあるゴルファーのほうが良いですね。42m/sぐらいは欲しいところでしょうか。可変ウェートや弾道調整機能はありますが、球質や打ち出し角が変化する方向の調整で基本は直進性の高い弾道が打ちやすい仕様になので、直進性の高い弾道を安定して打ちたい方におすすめしたいモデルです」

対してスピードゾーンエクストリームは「オートマチックに打っていきたい方に良いですね」と小倉氏。

「ヘッドの回頭性が良く、かといって強いつかまり補正がないので狙ったところに打ち出しやすくミスに強くなっていますから、打点が安定しない方でも大きなミスを軽減できるモデルになっていると思いますよ」

協力/ユニオンゴルフクラブ

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