シリーズ3モデルでしっかり差別化。ピン「G410」
これは1モデルではなく、G410プラス/SFT/LSTの3ヘッドを総合して選出。とくに慣性モーメント(以下MOI)のもっとも大きいプラスの曲がらないパフォーマンスが魅力だが、SFTは軽量で操作性がよく、自分で捕まえていける感じがしてとても扱いやすい。LSTはヘッドの重さもしっかりあって叩いていってもスピンが増えない強さがある。
シリーズの中でしっかりと差別化して作られている点が高く評価できます。興味がある人は、とりあえず3モデルすべてを打ち比べていただきたい。
高MOI+軽量ヘッドのタイトリスト「TS1」
タイトリストもTSドライバーすべてを注目シリーズとして挙げたい気がするが、あえてTS1を単独で選出。理由は米国ブランドお得意の大慣性モーメントヘッドのメリットを、日本人が親しんでいる280g前後の軽量モデルとして提案してきたから。
MOIが大きいヘッドはだいたいヘッドが重たく(200g〜)、スウィング中にフェースコントロールできずに右プッシュになる傾向が強かった。TS1は慣性モーメントが4800g・cm2を超えているのに、ヘッド重量は193gちょっととかなり軽い。
いわば開発的な難題、二律背反をクリアしており、これまでMOIが大きいドライバーはイマイチだった、というゴルファーにぜひ打ってもらいたい革新性がある。個人的にはTS4の力強い弾道が好き。
扱いやすさを重視した、ダンロップ「ゼクシオイレブン」
「振りやすさ」「心地よさ」という観点で作られている稀有なドライバー。もちろんその先に飛距離アップというゴールがあるとしても、日本の一般的ゴルファーがスムーズに“長いクラブ”を振るためにはどうすればいいか? と2000年のブランド誕生以来ずっとゼクシオの担当者が考えてきたことの一つの答えが、クラブ全体の超軽量化と最新のWEIGHT PLUSグリップに集約されている。
もちろん、すべてのゴルファーを満足させる振りやすさなど存在しない。自分はどう感じるのか? 一度、試してみてはいかがだろうか。
高い完成度で進化を果たした、テーラーメイド「SIM」
タイガー・ウッズを始め、契約プレーヤーのほとんどがスムーズにスイッチできてしまった完成度に脱帽。前モデル(M5)との大きな使用感の違いを出さずに、空力抵抗を上げ、MOIなどトータル的にバージョンアップされている点を高く評価したい。
ヘッド体積275ccのミニヘッド。テーラーメイド「オリジナルワン」
もうメーカーでの販売は終わってしまったかもしれないが、2019年に発売された体積275ccのオリジナル・ワン ミニドライバーは個人的には外せないモデル。
ソールのスピードポケットやツイストフェース、可変シャフトスリーブなど最新の技術を使って生み出されたミニヘッドは、大型ドライバーとはまったく違うシャープな振り心地で久しぶりにボールを強くヒットする快感を思い出させてくれた。現在は中古でしか購入できないかもしれないが、ぜひ選択肢の一つに加えていただきたい。
“クラブの流れをスムーズに”がコンセプトの地クラブ「MOE86」
これはゴルフ好きの個人が制作したモデルで、現在では販売も終了してしまっているモデルだが、現在の高慣性モーメントドライバーとは、まったく別の“選択肢”として紹介してみた次第。
ヘッド体積は230ccと小さく、タングステンなどの高比重金属も内蔵していない。加えて180g台と軽ヘッドになっている。そして懐かしいスルーボア(貫通ホーゼル)だ。
このヘッドの狙いは、こうすることでドライバー以外のクラブとのつながりがスムーズにすること。多くのドライバーが最大飛距離の更新を狙う中、飛距離のことを一旦脇に置き、他のクラブとの同調を模索して作られた。
一発の飛ばしではなく、複数クラブをつないで行うゴルフプレーのためにティショットギアはどうあればいいのか? そんなことを考え、自分でクラブを作ってしまったゴルフ愛に敬意を表したい。
クセのなさが良い、ブリヂストン「ツアーB JGR」
単純に個人的に試打結果がとてもよかったドライバー。純正シャフトの安定感が心地よく、非常に気持ちよく遠くにボールを飛ばすことができた。一言でいえば、クセがなく多くのゴルファーに好結果をもたらしそうなモデルだと感じる。
コンパクトがゆえの扱いやすさ。キャロウェイ「マーベリック サブゼロ」
重心設計のバランス感がよく、適度な操作性とほどよい寛容性を両立したドライバーと評価。マーベリックは重心距離が長い分、使い手を選ぶ印象。コンパクトアイアンを使用しているゴルファーなら、サブゼロの方が打ちやすさ、扱いやすさを感じるはず。ロフトは表示通りと言ってよく、他社モデルよりもワンロフト多めも選択肢に試打してみてもらいたい。
右プッシュしないドライバー。プロギア「エッグ エクストリーム」
ヘッド左右方向のMOIが5750g・cm2ととにかく巨大なMOIを備えた、プロギア エッグドライバーの最新モデル。45.75インチと長尺仕様だが深い重心と大きな重心アングル。そして小さめのフェースプログレッションで右プッシュはさせない仕様になっている。
通常、この長さのドライバーは280g前後で仕上がってくるが、エッグ エクストリームは最軽量のM-37(R)でも294gと重さがある。シャフトの剛性を高めているというから、それによって振り感を軽くすることができているのかもしれない。コンセプトにもエッグらしい斬新さを感じる。まだ、打っていない。ぜひ打ってみたい最新作である。
最新ヘッド構造に興味アリ。本間ゴルフ「TR20 440」
カーボンパーツの割合が飛躍的に増えた最新のフレームデザインが、実際の弾道にどのような変化をもたらすのか、その点に関心があって推挙。実際に打ったことはまだない。