自分から努力ができる。我が子をそう導くためには、成績などの結果ではなく、行動時した事実を認める「行動承認」そして、成長を認める「成長承認」が大切だとプロも教えるメンタルコーチ・池努はいう。子どもを承認してあげるなかで、もっとも大切なものはなんだろうか?

質問して、答えをしっかりと受け止め、認めてあげよう

今回は承認の中でも最も重要でベースとなる「存在承認」について書いていきます。

存在承認とは「あなたの存在を心からリスペクトしています」ということを伝える承認です。ちなみになぜ承認がそれほど大事かと言うと承認欲求を満たすことがこどもの自主性につながるからです。アメリカの心理学者マズローが発表した欲求説では人は承認欲求を満たしてはじめて自己実現の欲求というステージにいくことができ、そこでこそ自分らしく主体的に行動することにつながると説明しています。

人は家族・友達・同僚・上司・先生などから十分に認められることで自己の重要性を感じることができ、はじめて自分を活かし、自分らしい主体的な活動ができるようになるという理論です。

画像: 「今日、練習どうだった?」まずは質問から会話のキャッチボールをはじめ、子どもの取り組みをしっかりと認めてあげよう

「今日、練習どうだった?」まずは質問から会話のキャッチボールをはじめ、子どもの取り組みをしっかりと認めてあげよう

この理論からいけば、承認が欠乏していては真の主体的な状態にはならないのです。アメリカの世論調査会社ギャラップによると仕事に熱意を失う危険性が最も高いのは「自分の上司が部下である自分にまったく関心持っていない」つまり、上司から認められていないと感じている人だと言います。

たしかにそうで、スポーツであれば選手であるあなたに監督がまったく関心を持ってくれない、生徒であるあなたに担任の先生がまったく関心をもってくれない、こどもであるあなたに両親がまったく関心をもってくれない、そんな承認が欠乏した状態でスポーツや勉強、仕事などに熱意を持ち、自分の最高のパフォーマンスを出すことは難しいですよね。

ギャラップの調査では上記の例とは逆に上司が部下に関心を持ち「部下の強みに意識をむけている」場合は職場に不満を持つ人の割合が1%(100人にひとり)まで下がるとされています。人は誰かに自分の価値や強み、存在を十分に認められ、そして自分自身のことを認めることができ、はじめて主体的な活動につながるようなのです。

さて、話は存在承認に戻ります。存在承認で大事なポイントがいくつかあって、まずは相手に興味、関心を持つことです。そして、人は相手に興味や関心を持つと自然と相手に質問をします。「今、どんな練習してるの?」「今日練習どうだった?」「ラウンドで良かったところはどこ?」このように人は質問すると相手は自分の話を言葉にしやすいので会話キャッチボールがはじまりやすくなります。

そして、次にその子から発せられた言葉に耳を傾けしっかりと受け止め、言葉を伝えてあげます。「なるほど、今日は~な練習をしたのか。良かったな」「今日はショットが良かったんだな」というように。このように質問し、相手の言葉に耳を傾け、その言葉を認めていく。この行為によってこどもは「自分は親(コーチ)から認められているんだ」と無意識に感じ取ります。

そして、さらに言葉で「応援しているよ。信頼しているよ。プロになれると信じているよ」などを定期的に伝えることでより承認欲求は満たされていくはずです。このように親や指導者、身近な存在にいる人から自分自身の存在を認めてもらえている土台があって人は安心してチャレンジや行動ができます。これはこどもだけにではなく家族、パートナーの方へ、部下や上司なども同じですよね。きっとあなたもこれまでの経験で自分らしく頑張れた時期は周りの人から認められているという実感があったはずです。

今回は承認欲求を満たすためのベースであり最重要な要素である存在承認について解説していきました。お子さんがゴルフをしている、スポーツをしている、勉強を頑張っているという方は+1%でも良いので関心を持ち、話を聞き、認めるということを実践してもらえるとそれがお子さんの主体的な行動につながると思います。

画像: フェアウェイバンカー、しかもピンが見えない!そんなときプロならどう打つ?~蛭田みな美&秋山真凜~ youtu.be

フェアウェイバンカー、しかもピンが見えない!そんなときプロならどう打つ?~蛭田みな美&秋山真凜~

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