ゴルフの練習もテレワークも成果を左右するのは集中力であることに違いはない。どうすれば集中力を高め練習の質を上げることができるのか。プロも教えるメンタルコーチ・池努は脳内にドーパミンを出すことと言う。一体その方法は?

タスクリストを効率的にクリアする方法

首都圏を中心に緊急事態宣言が出て「ステイホーム」という言葉を見ない日はありませんね。この記事を見られている方には在宅勤務の時間も長くなり自宅での仕事や自宅でのゴルフ練習の時間が長くなっている方も多いのではないでしょうか。そして、このような状況でSNSを通じて次のような質問がいくつか届きましたので紹介します。

会社員の方からは「自宅でのテレワークで集中することが難しい」や学生ゴルファーからは「家でできるゴルフ練習をしようとしてもすぐに集中がきれてしまいます。どうしたらいいですか?」という質問です。自宅での仕事やゴルフ練習で使える集中力アップの方法をシェアしてみようと思います。この方法は自宅だけでなくゴルフ場での練習でも応用できる内容になります。

さて、自宅での仕事やトレーニングとなれば会社やチームと違い、誰かからの「監視の目」がありませんよね。仕事時間に読書をしていようがSNSを見ていようが家族以外の誰からも注意されることはありません。本当は今の自分が取り組むべき大事なタスクがあったとしてもそれが緊急性を要しないものであれば、なんとなくYouTubeを見てしまったりするものです。このように私たちは無意識的に「未来に重要なタスク」より「短期的で重要ではないタスク」に意識をとられてしまいがちです。

画像: まずは簡単なことから達成させることで集中力や達成感を高められる(写真/大澤進二)

まずは簡単なことから達成させることで集中力や達成感を高められる(写真/大澤進二)

3か月後、半年後の重要な仕事への準備期間として今がふさわしかったとしても仕事とは関係性の薄い動画などに時間を使ってしまうことはよくあることだと思います。そのため仕事やスポーツのセルフマネジメントでは1日の最初に今日すべきタスクを書き出し、優先順位をつけ順番に取り組むことが大事だなどと上司や指導者から教わったことがある方も多いのではないかと思います。私も大企業の会社員時代に経験したそのひとりです。しかし、このように優先的な難しいタスクから取り組むとそれ自体に時間や労力がかかりすぎて優先順位が低いタスクまでたどりつかない。そんな経験を会社員時代にしました。

実は最近ではこの重要なタスクから順番に作業を手に付けるより、簡単なタスクから手を付けたほうが1日トータルでの成果は向上しやすいという研究をハーバード・ビジネス・スクールが行っています。その研究では多業種から500人の会社員を3つのグループに分けて実施されました。

Aチーム:始業時に今日のタスクを書き出し、重要で労力のかかる作業から順にすすめる
Bチーム:始業時に今日のタスクを書き出し簡単な作業順に並び替え、順にそって作業する
Cチーム:始業時に今日のタスクを書き出し、その順番にそって作業する

いままでの常識ではAチームの仕事の進め方を薦められることが多かったかと思いますがこの研究によれば最もタスクの達成量が多かったのはBチームの簡単な作業順に仕事を進めていったグループだったのです。1日のスタートに難しい作業ではなく、簡単な作業からスタートすることで集中力も高まりやすくなります。簡単な作業とはいえ小さな達成でも神経伝達物質であるドーパミンが脳内に出されます。そのドーパミンはやる気や集中力につながる働きがあり、その脳内状態になった状態で難しい作業にも取り組む方が効果的だと言うのです。

つまり、体で言えばゴルフの練習開始から順を追ってストレッチや軽いスウィングなどで体を温めて体が十分に動く状態にしてからフルスウィングをしていくことと似ていますね。さらに、Bチームのメンバーは最終的な1日の仕事への達成感も良くなったというのです。

このように簡単な作業や練習から取り組み、段々と難易度や強度を高めていくマネジメントを取り入れることで自分を管理することもテレワークでもゴルフ練習でもおすすめします。

画像: 小澤美奈瀬が教える!上げる転がす自由自在のアプローチ術 youtu.be

小澤美奈瀬が教える!上げる転がす自由自在のアプローチ術

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