渋野日向子のコーチ・青木翔。渋野日向子の肉体作りをサポートするトレーナーの斎藤大介が、女子ツアー選手が多数使用する練習器具などを日本に導入するエンジョイゴルフ&スポーツジャパン社代表・佐々木信也の呼びかけでオンラインミーティングを実施した。そこで語られた内容をレポート。

米ツアーにも腕立て伏せが一回もできない選手はいる

ーー斎藤トレーナーに質問です。渋野日向子選手は身体能力も高いとのことですが、身体能力の高くない選手でも、一流になれるのでしょうか?

齋藤大介(以下、斎藤):米女子ツアーでも、腕立て伏せが一回もできない選手は結構います。そういう選手は、反復練習などの技術的なことで補って、上(のレベル)にいます。もともとの身体能力が高くなかったとしても、いろんなもので補っているんです。でも徐々に変わってきていて、(近年は)フィジカルが強い選手が上位に来ています。

画像: 昨シーズンの全英女子オープンを制した渋野日向子。彼女を始めと日本の女子ツアーは徐々にアスリート化してきているそうだ(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

昨シーズンの全英女子オープンを制した渋野日向子。彼女を始めと日本の女子ツアーは徐々にアスリート化してきているそうだ(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

佐々木信也(以下、佐々木):飛距離ということですか?

斎藤:飛距離もそうですが、体の能力が高いほうがコーチやトレーナーが言ったことを吸収する速さは早いと思います。日本はフィジカルレベルとしては米ツアーに比べると低いのではないでしょうか。筋骨隆々とかではなく、再現性や、自分の体を思ったようにコントロールする能力もフィジカルに含まれるので、見た目的には弱そうでも、そういうことに優れている選手はいます。フィジカル=見た目の強さだけではないという風に思います。

青木翔(以下、青木):正直これからは(身体能力が低いと)きつくなってくると思います。同じものを与えたときに能力の差が出てくると思いますし、それを技術で補うのはすごく大変なこと。昨年、日本(女子)ツアーを見てきて、だんだんとアスリート化してきているのは感じます。

佐々木:それはいつから?

青木:私はジュニアの指導もやっていますが、今のジュニアってゴルフ以外のスポーツをやらないんですよね。もっといろんなスポーツをやった上でゴルフをやれば身体能力はついてくると思います。もちろん持ってるもの(才能)もあるとは思いますが。あまりにもゴルフ以外のスポーツをやっていなさすぎて、個人競技過ぎるというか、自分さえよければ、という子が多いんです。社会に出たらダメだぞと思うことが多いです。いろいろな意味でジュニアの子たちにそういうことを発信していきたいと思っています。(いずれにしても)流れ的には運動能力がない子が上に行くのはちょっときつくなってくるのではないかと。

斎藤:英才教育じゃないですけど、小さいころから色々な(スポーツの)動きに触れるというのは大事です。ゴルフは比較的技術的なピークが遅めと言われるスポーツです。反対に、新体操などは早いですよね、女子ゴルフは早くなってきていますが、ゴルフはある程度体を作ってから技術的なことをやったほうが伸びるのが速いという研究もあります。

ーー栄養面は?

斎藤:渋野選手はしっかり食べれるし、野菜も多く食べるし、バランスもいいです。僕からは制限は出していませんが、必要なものは必要なタイミングで摂る、サプリメントやプロテインとかの選択は僕がして飲んでもらってます。

ーー様々なスポーツを通じて身体能力を高め、偏りない食事を摂る。その上で技術を高めることが大切なんですね。ありがとうございました。

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