プロ野球セ・パ両リーグでチームドクターとして活躍した吉松俊一氏は「幼少期からの運動が脳の活性化につながる」という。吉松俊一氏とその息子・吉松俊紀氏の共著「頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論」から、頭のいい子どもを育てるヒントをご紹介。

5歳までは左右両方で投げる、蹴るがいい

日常生活にない動き……たとえば後ろ向き歩きや横歩き、片足立ちや、利き手(利き足)の反対の手(足)でボールを投げる、蹴る……などの動きは、意識して5歳くらいからやらせてあげましょう。普段、使わない体の部位を意識して使うことは、体そのものをニュートラルに戻し、また脳をリフレッシュさせる効果があります。

ゴルフでこれまでに5回の賞金王に輝いた片山晋呉選手は右利きですが、食事では左手で箸を持つようにしています。ゴルフに限らずスポーツではイメージが大切で、イメージトレーニングという分野があるほどです。片山選手のように、意識して左手を使うことは右脳を活性化させ、球筋や試合展開などで、より強いイメージを描くことにつながっているのでしょう。

画像: 5度賞金王の称号を獲得している男子プロ・片山晋呉も、右利きだが食事の際に箸は左手で持っているという(写真は2019年のパナソニックオープン 撮影/有原裕晶)

5度賞金王の称号を獲得している男子プロ・片山晋呉も、右利きだが食事の際に箸は左手で持っているという(写真は2019年のパナソニックオープン 撮影/有原裕晶)

ちなみに左利きの子を、右手で箸やエンピツを持つように矯正するのは小学2~3年生までが限度で、それを過ぎてからの矯正は相当の努力が必要とされています。矯正するかどうかは意見の分かれるところでしょうが、私は幼少期に両方を使えるようになること、使うクセをつけることが、大脳の発達においてとても重要なことだと思っています。

よく右脳派人間、左脳派人間といった分析がなされますが、どちらかが優れている、というものではありません。なぜなら「頭がいい」という状態は、右脳と左脳をバランスよく上手に使うことであって、どちらかだけを使うことではありません。

ボールを投げたり、蹴ったりすることを覚えるのは3~5歳くらいでしょう。この時期になったら親は、どちらの手でも投げられる、どちらの足でも蹴られるような環境づくりに努めてください。

両方の手や足を使うことは、右脳と左脳に終始、いい刺激を与え続けることにつながります。そうなると右脳で直観力、左脳で思考力が磨かれ、大脳の働きが2倍以上になることは間違いありません。

私はこれを倍脳効果と呼んでいます。

「頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論」(ゴルフダイジェスト社)より

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