アプローチは「いかに飛ばさないか」。棒を振るイメージで振ろう
やす:ぼくアプローチが苦手で、とくにグリーン周りではトップ、ダフリの繰り返しでして。
ジョニ男:まさに「往復ビンタ」状態ですよね。
やす:そうそう。ダフリ、トップを直したいんですけど、小澤先生、何とかなりますか。

ずん・やす(中)とイワイガワ・岩井ジョニ男(左)が、ゴルフ上達のため美女プロ小澤美奈瀬(右)のレッスンを受講!(撮影/野村知也)
小澤:分かりました。アプローチでグリーンに一回で乗せられるように、頑張っていきましょう。まずは20ヤードのアプローチ、という設定で一度打ってみましょうか。
やす:緊張するんですよね、この距離って。誰かに代わって欲しいなぁ――アッ!
小澤:ややショートですね。……今、打つ前に「アッ!」て言いましたよね。

シミュレーションゴルフで20ヤードのアプローチに挑戦するも、やすの結果は16.96ヤードとショート気味
ジョニ男:何で打つ前に言うのよ。虫かなんかいたのかと思ったよ。
やす:確かに、順番逆でした(笑)。でも、これが不安の表れなんですよ。もう一回行きますね――あぁ、またショートです……。
ジョニ男:シミュレーションゴルフでこれだけ短く出るなら、コースだともっと距離が合わないでしょうね。
やす:結局、トップが怖いからインパクトでゆるめてしまうんですかね。
小澤:でも見た感じ、スウィング的にはとってもいいんですよ。
やす:え、そうなんですか!?
小澤:ええ。ただ、やすさんのスウィングは、どちらかというとショットでしっかり飛ばすタイプの打ち方をしているんです。でもアプローチは、いかに飛ばさないかというところが大事になってくるので、そこが逆になっている感じなんですね。
やす:先生の今日の名言が出ました、「アプローチは、いかに飛ばさないか」。でも、それって、どういうことですか。
小澤:今のやすさんの打ち方は、アプローチとしてはクラブの運動量が多い状態なんですね。それを少し小さくして、より安定させていけばミスは減ってきます。
やす:どうやって小さくするんですか?
小澤:クラブの運動量を抑えるために手首を使いづらくさせていきます。まず、少し短く握りましょう。

クラブを短く握ることで手首の動きを抑えられ、アプローチが安定する
やす:クラブを短く握る、ですね。
小澤:そして今までの20ヤードを打つ構えより、ややハンドアップに構えます。それでもう少しボールに近づいて立ってみてください。こうするとどうですか、振りづらくないですか。

ボールと体の距離を近づけ、ややハンドアップに構える
やす:たしかに、ちょっと振りづらいです。
小澤:では、それでオッケーです。
やす:え、短く持って、ボールの近くに立っただけですよ。
小澤:はい、大丈夫ですよ。じゃあこれで打ってみてください。
やす:――おぉ! 今まではグリップ周辺がフニャフニャしている感じでした。でもボールに近づいて打つと、迷いなくクラブを棒のように振れるからあまりブレずに振れますね。
小澤:そう。やすさんの場合、左腕とクラブを一体化して「棒を振る」イメージでイイと思いますね。

左腕とクラブを「1本の棒」とイメージして振ることで、手首の動きを抑える
やす:それだとクラブの運動量が少なくなるわけですか。
小澤:今までの打ち方だと、手首を自由に使えてしまうのでクラブの運動量が大きくなってしまっていたんですね。
やす:なるほど。なんか、短く持っていると安心感があります。
小澤:軸がしっかりしてきますよね。
ジョニ男:さっきアプローチは、やすさんの芸風と同じでブレブレでしたからね。
やす:そう、50歳になってもブレブレ……ちょっと!
ジョニ男:いや、冗談じゃなく、今までのアプローチはコックが入ってグリップや腕がユルユルになっていましたよ。
やす:確かに、もうブランブランでした。
ジョニ男:それがクラブの運動量を大きくしていたんですね。
「上げる」と「転がす」、どう打ち分ける?
小澤:それでは今の打ち方で、20ヤードの距離で「上げる」アプローチと「転がす」アプローチをやっていきましょう。
やす:えぇ~! そんなこと僕にできますかね。
小澤:アドレスを変えるだけでいいので、大丈夫ですよ。
やす:え、どういうことですか?
小澤:まず、転がす打ち方は、ボールをいつもより少し右足寄りに置き、あとは先ほどやったように棒のように打てば低い球になります。

低く転がすアプローチを打つためには、ボールを右足寄りに置こう
やす:なるほど、ボールの位置ですか。
小澤:はい。さらにもう一つ。このときに、バックスウィングの大きさがキャリーの距離、フォロースルーの大きさがランの距離になるというイメージでスウィングを作ってみてください。
やす:ということは……転がしってそんなにキャリーは必要ないから、バックスウィングは小さめですね。

低く転がすときは、バックスウィングは小さめ
小澤:はい。そしてフォローをちょっと出してあげるという感じで振るとコロコロコロって感じで転がっていってくれますよ。

低く転がすときは、フォローを大きく取ろう
やす:分かりました、打ってみますね――あ、本当だ。
ジョニ男:ランが出てる!
小澤:次に、上げていく場合はまずボールを左足寄りに置きましょう。

上げるアプローチの際は、ボール位置は左足寄りに置こう
やす:転がしとは逆側ですね。上げるときはキャリーを大きくしたいから、バックスウィングも先ほどと逆で、大きく取るイメージで合ってますか?

上げるアプローチでは、大きめにバックスウィングする
小澤:その通りです。ランはそんなに出なくてもいいので、フォローは大きく出さず、打って終わりくらいのイメージで良いと思います。

上げるアプローチでは、フォローは小さめ。打ったらヘッドが止まるくらいのイメージで良いと小澤は言う
ジョニ男:状況によって、キャリーが出たほうが良かったり、ランが出たほうが良い場合がありますから、打ち分けられるようにしておきたいですよね。
小澤:バンカー超えなどは、まさにキャリーが必要な場面ですね。
やす:あと2段グリーンの上の段にピンが切ってあるとか、ありますよね。そういう状況、苦手なんだよな。よし、じゃあやってみますね――お、ピッタリ20ヤード! 先生、やりました!

ショートすることなく、しっかり20ヤード地点で止まるアプローチに成功!
小澤:素晴らしいです!
やす:目からウロコのアドバイスをいただきました。アプローチでミスが出ていたのは、「クラブの運動量」が大きすぎたんですね。そしてアプローチは「棒」で振る。これですよ。
ジョニ男:そしてランを出すときは右足寄りで、キャリーを出すときは左足寄り。そしてバックスウィングはキャリー、フォローがラン、これもビックリでした。今までは、8時から4時へと言う感じで左右の振り幅を同じにしてましたから。
やす:アプローチのトップとダフリがなくなったら、スコアも10は余裕で変わると思ってましたから。これ、次のラウンドが楽しみですよ。
小澤:ぜひやってみてください。
やす:ありがとうございました!
協力/新橋ゴルフスタジオ
小澤美奈瀬が教える!上げる転がす自由自在のアプローチ術
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