2020年度のJLPGA女子プロテスト合格へ向け練習を続ける美女ティーチングプロ・小澤美奈瀬。さらなるマネジメント力向上のため、勝みなみ、小祝さくらの初優勝を支えたプロキャディ・木村翔にバッグを担いでもらい、練習ラウンドを行ったという。ラウンドを通じて、木村キャディのもとで学んだこととは?

傾斜や風向きも細かくメモする

2021年シーズンの女子ツアー参戦に向け、今年のプロテスト合格を目指しているUSLPGAティーチング会員の小澤美奈瀬。

9月から開催予定のプロテストへ向けてマネジメント力を磨くため、小澤が助力を求めたのはプロキャディ・木村翔。様々な女子プロたちのバッグを担ぎ、勝みなみ、小祝さくらの初優勝を支えたスゴ腕プロキャディだ。

画像: 多くの女子プロのバッグを担ぐプロキャディ・木村翔(左)。小祝さくら(右)や勝みなみの初優勝を支えた(写真は2019年の三菱電機レディス 撮影/大澤進二)

多くの女子プロのバッグを担ぐプロキャディ・木村翔(左)。小祝さくら(右)や勝みなみの初優勝を支えた(写真は2019年の三菱電機レディス 撮影/大澤進二)

小澤が出場予定の第1次予選開催コースは「ココパリゾートクラブ白山ヴィレッジゴルフコース キングコース」(三重県)。このコースで実際に木村にバッグを担いでもらい、攻め方を確認しながら「マネジメント上達のヒントを学びました」と小澤は言う。

画像: 女子プロテスト合格へ向け、目下練習を続けている小澤美奈瀬。プロキャディ・木村翔にバッグを担いでもらい、開催コースである白山ヴィレッジキングコースで練習ラウンドを行ったという

女子プロテスト合格へ向け、目下練習を続けている小澤美奈瀬。プロキャディ・木村翔にバッグを担いでもらい、開催コースである白山ヴィレッジキングコースで練習ラウンドを行ったという

「まず最初に木村キャディに教えていただいたのは、コースメモの書き方です。久しぶりに試合に出るので改めて基本から、とお願いしました」(小澤)

木村によれば「コースメモを書く際は、ヤーデージブックにどれくらい飛ばしたか、どの番手で打ったか、風の影響はどの程度あったかなど、距離に関することを全部書きましょう」とのこと。

写真Aは木村キャディの教えを受けて、小澤が白山ヴィレッジキングコース1番ホール、512ヤードのパー5で実際に書いたコースメモ。この数字の羅列で、そのホールでのショットの一部始終を振り返ることができるのだという。

画像: 写真A:小澤がパー5ホールで実際に書いたコースメモ

写真A:小澤がパー5ホールで実際に書いたコースメモ

メモのスタート地点はセカンドショットの結果から。ティショットからメモを取らない理由は、セカンドショットに関する記述から、ドライバーで何ヤード飛ばしたかを逆算することができるからだ。

写真Aを見ると、「230」ヤードの飛距離を「4番ウッド(4W)」で飛ばし、グリーンエッジまで残り「78」ヤード地点でボールが止まったことが、メモを振り返った際にわかる。

グリーンオンを狙っていく3打目地点からはより正確な飛距離計算が求められる。まず、3打目地点からグリーンまでの勾配を考慮。今回は上りの傾斜のため、エッジまでの残り距離を「+2」ヤード多く見積もり、「80」ヤードとして計算。エッジから5ヤード奥の地点にピンが切られているので、ピンを狙うなら「85」ヤードとなる。

さらに風の影響も考慮に入れる。写真Aで「85↓(7)」と記載されている記述は、このときの風が右斜め前から7ヤードのアゲンストであることを示している。打つべき距離や風の向き・強さまで計算に入れた結果、小澤は48度のウェッジを選択。キャリー80ヤード、トータル83ヤードと見事にピンそばにつけることに成功した、というわけだ。

多くのツアープロはこういった事細かなメモを18ホールすべてで書き取り蓄積し、その情報をもとに、リスクを最小限に抑えながらスコアを伸ばすための攻略法を見つけていくわけだ。

その糸口を見つけようとしたときに、プロキャディが担う役割が大きいことを改めて感じたと小澤は言う。

「普段一人で回っているときも、もちろん傾斜や風の影響など飛距離計算に必要なことを頭の中で考えながらプレーしているんですけど、18ホールすべてのショットでこなそうとすると、どうしても雑になってしまうことって出てきます。木村キャディに帯同していただいたときは、ショット前のやり取りの中でそういった確認事項を一つひとつ確認できていたので、取りこぼしが少ないように感じましたね」(小澤)

プロキャディとのラウンドで新たな気づきを得た小澤。プロテスト第一次予選まであと約4か月。合格、そしてツアー参戦を目指す小澤はさらなる成長のため、ベテランプロキャディ・清水重憲のもとを訪ねるのだった……(次回へ続く)。

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