下りのパットは100未満、上りのパットは100以上でタッチを数値化していた
「タイガーvsフィル、パート2」。 ゴルフファンだけでなく、スポーツファンの注目も集めたチャリティマッチはゴルフ史上最高の視聴率(ケーブルTV)、そして優勝賞金を含めた寄付金は総額
200万ドル(約21億6000万円)と大成功でした。
今回はアメリカンフットボールの花形選手2人を加えたペアマッチ。タイガー・ウッズのパートナーはリーグMVP5回、5年前に引退したペイトン・マニング(ハンディ6)。フィル・ミケルソンはスーパーボール制覇6回、現役のトム・ブレイディ(ハンディ8)とチームを組みました。
ペイトン・マニングはタイガーと同じ44歳。 昨年のメモリアルトーナメントや数年前のアーノルド・パーマー招待などでタイガーと同じ組でプロアマ競技でプレーしていましたし、プライベート
でも一緒にプレーをするという仲の良い友人です。 タイガーは「ペイトンはゴルフを真剣にするようになった頃から知っているので引退後どんどん上達しているようでとても嬉しい」と話していました。
今回は4人の選手がマイクをつけてプレー、個人が運転する電動カートにはカメラをつけるなど普段のトーナメントとは異なる試みで見応えのある内容でした。私はタイガーがどのようにマニングにアドバイスをしているのを注目しました。ショット時のアドバイスはクラブ選択を含めあまり聞くことはありませんでしたが、グリーン上でのアドバイスはなかなか興味深かったです。
タイガーはグリーンの芝目の説明よりも傾斜を重視、常にグリーンのスピード、タッチを合わせるのが大事とマニングに相談していました。その場面でしっかりと伝えていたのは数字でした。
1番ホールでは「90」、マニングが7メートルのバーディーパットを沈めた4番ホールでは「95」、そして5番では「105」とアドバイス。どんな意味なのかおわかりでしょうか? 平坦なところのパッティングをベースに「100」として下りの速いパットだと数値は100未満となり、上りのパットは100よりも大きい数字になります。
たとえば、10メートルの下りのパットのアドバイスが「90」だと90パーセントの距離感、つまり9メートルを打つようなイメージで打つという事になります。 単純と言えば単純ですが、しっかりと距離のイメージをつかむにはとてもいいアドバイスだと思いました。
最終ホールまでもつれ込んだマッチの結果はタイガー&マニング組が1アップで勝利。 タイガーはホームコースという有利な点もありましたが、ティショットはしっかりとフェアウェイを捕らえ、キレのあるゴルフを披露していました。 勝負を決めたのは最終ホールでのタイガーのロングパットで約15メールのパットを30センチに寄せました。 後半は交互に打っていくプレー形式だったので1メートル以上の距離を残すとマニングにプレッシャーがかかる場面でしたので、ピタッと寄せたタイガーのタッチはお見事でした。
2週間後にはPGAツアーが再開予定とされていますが、初戦の「チャールスシュワブチャレンジ」にはエントリーしなかったタイガー。7月開催予定のメモリアルトーナメントは過去5回優勝している事もあり出場濃厚と予想されています。 今後のスケジュールは新しく発表されたメジャー大会に向けて合わせていくと語っており、今季の活躍も期待できそうです。