プロ野球セ・パ両リーグでチームドクターとして活躍した吉松俊一氏は「幼少期からの運動が脳の活性化につながる」という。吉松俊一氏とその息子・吉松俊紀氏の共著「頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論」(ゴルフダイジェスト社)から、頭のいい子どもを育てるヒントをご紹介。

音による手上げ運動で神経系のスピードアップ

一流アスリートに共通するのが、音に対する素早い反応です。プロ野球選手の守備をみていると、打者が打った瞬間、打球を目視するより早く、ボールが飛んでくる場所にスタートを切っています。そこにはもちろん経験や読みもありますが、打者が放った打球音という、音の刺激によって、次の運動動作をとっているのです。

画像: ゴルフでも打球音はショットの成否を判断する重要な要素だ(撮影/小林司)

ゴルフでも打球音はショットの成否を判断する重要な要素だ(撮影/小林司)

イヤホンで音楽を聞きながら街を歩いたり、自転車に乗る人が急増しています。その影響によって増えているのが交通事故です。つまりイヤホンによって外の音を遮断してしまえば、なにが起きているかが理解できず、当然、反応は遅れますし、適切な対応もとれないでしょう。

音によって次の動作に移る反応時間を調べてみると、児童では年齢とともに短くなり、20歳前後でピークを迎えます。少し古いデータで恐縮ですが、ある研究によれば10歳で0.27~28秒、20歳で0.20~21秒、そして30歳を過ぎると急速にスピードが落ちていきます。

このスピードを速め、またある程度の年齢になっても衰えないようにするために、子どもの頃から音や光の刺激によるトレーニングを取り入れてみましょう。3歳くらいからできる簡単なトレーニングです。

まず子どもを2メートルくらい離れたところに立たせます。そして親は声をかけますが、「右」といったら子どもには右手を、「左」といったら左手を、高く素早く上げさせるようにしましょう。慣れてきたら、また年齢に応じて「右右左右左左……」と、かけ声を複雑にしていきます。

音や光の刺激は目や耳から大脳に伝達され、神経系の配線を猛スピードで走り、筋肉に伝わります。また、この場合、手を上げるという運動が、さらに大脳を刺激しますから、神経系がさらに発達するのです。

年齢が大きくなれば手を上げるだけでなく、回転やジャンプ、前後左右にダッシュ……といった動きを取り入れるのも効果的でしょう。

2012年度から中学校で必修科目になった「ダンス」では、神経系を意識すると、脳が活性化されるでしょう。

「頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論」(ゴルフダイジェスト社)より(一部改変)。

画像: タイガー・ウッズが日本で見せた最新スウィング! ドライバーからSWまでたっぷりどうぞ youtu.be

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