プロとアマではティショットの難易度が異なる
まず中井は、「プロとアマではパー4に対する考え方が大きく異なる」と、こういう。
「たとえば短いパー4や、ドライバーだとハザードまで届いてしまうホールでは、3番ウッド以下のハザードまで届かない番手でティショットするのがプロのセオリー。しかし、アマチュアの方の場合、同じようなケースで3番ウッドや5番ウッドを使ってもミスになってしまうケースも多くあります。プロとアマでティショットの難易度が異なる。ここにパー4の難しさはあります」
番手を下げることでプロは難易度を下げることができるが、アマチュアゴルファーの場合は「同じミスをするなら」と、ドライバーを選びがちだ。しかし、中井は「その時点でマネジメントミスをしてしまっている」という。正解は、たとえミスになるとしても、傷口が最少限度となるクラブを選ぶことだ。
「ショットのミスは仕方がありませんが、マネジメントのミスはNG。考え方としては、同じミスをするならドライバーでOBを打つよりも、5番ウッドがチョロして100ヤードしか飛ばないほうがはるかにいい。このクラブ選択ができることが、スコアアップする上で一番の秘訣なんですが、多くの人がこのような選択をできないんです」
OBを出して同じ場所から3打目を打つよりも、100ヤード先から2打目を打ったほうがいいのは明らかだ。そして、このような危険を避けて番手を下げるプロ仕様のマネジメントを行うために必要なのは、なによりも成功体験だという。
「ティショットで5番ウッドを持って、いい球が打ててフェアウェイをキープする。そういった成功体験がゴルファーには必要なんです。それがあれば、マネジメントに幅が出る。いつも同じ番手で失敗体験ばかりを重ねていると、経験がプラスになりません。だから、10年経っても100が切れないという方が多くいるんです。逆にいえば、マネジメントの成功体験を増やし、マネジメントのミスを減らすことができれば、必ず上達できると思います」
マネジメントが大事だとわかっていても、ティーイングエリアではついついドライバーを持ちたくなってしまうのは人情というもの。しかし、もし「ドライバーだとOBに行っちゃうかも」という気持ちがどこかにあるのなら、勇気をもってドライバーを捨て、「ハザードまで届かない4番ユーティリティで打ってみるか!」といった選択をしてみると、ゴルフの幅がぐぐっと広がるかもしれない。