プレーする目的をはっきりさせると持つべきクラブが見えてくる
みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今日はお客様からこんなお題を頂きました。そのお客様は平均スコア105のごくごく一般的なアマチュアゴルファーでベストは101。110はめったに叩かなくなったが、ここ2年ベストスコアが更新できない。なんとかして100を切りたいのだが、クラブで何とかならんのか!? と。
その方のセッティングは、ごく一般的な今風のデカヘッドのドライバーに、長く使っているFW2本。UTは比較的新しいモデルが1本でアイアンはポケットキャビティタイプの飛び系アイアン。単品ウェッジが2本にパターといった感じ。
練習風景を見させていただいたところ、ややアウトサイドインのダウンブローのスウィングですが、練習場で打っている感じでは再現性は適度にあり、安定してスライスを打っていました。
コースでのミスを聞くとティショットで左へのOBが多いとのこと。しっかりクラブでミスを軽減するならすべてのクラブの重量フローなどを細かくチェックしなければならないですが、ドライバーのOBを減らすだけなら比較的簡単です。それは必ず1方向に曲がるドライバーにすれば良いだけ。
このお客様のスウィングはアウトサイドインの軌道なのでナチュラルにスウィングできれば自然とスライス系の弾道が出るはずなのですが、飛ばそうとかつかまえようとする意志がボールを狙いより左に打ち出し、左のOBに繋がっているのでしょう。
しかしこれは、多少はしょうがないかなと思います。誰だってそういった欲望はありますし、それをコースで抑えるのはとても難しいですからね。だったら多少力んだり、左に引っかけるような弾道が出てもつかまり過ぎないクラブを使えば良いんです。
ではつかまり過ぎないドライバーとはどんなモデルなのかと言えば、左へのミスを防ぐ、いわゆるアスリート向けと呼ばれるモデル。たとえばキャロウェイのマーベリックシリーズで言えばサブゼロドライバー、プロギアのRSシリーズで言えばRS Fドライバー、テーラーメイドのSIMドライバーといったようなモデルがこれにあたります。
本来は自身のスウィングでボールをつかまえられる上級者のために左へのミスを出づらくしたモデルなんですが、これをスライサーが使うことで、絶対に左へのミスだけは出ないようにしよう、というわけです。
絶対にスライスするクラブであれば、安心して左を向けます。そうすることでスライスしてもコース内に残る弾道が打てれば多少ラフなどに行ってもOBはかなり減らすことができるでしょう。最近のクラブは弾道調整機能がありますので、あえてつかまらない方向にセットして、安定した弾道を打つなんてことも可能です。
良いスコアを出すのにドライバーの良い弾道はいりません。必要なのは安定した弾道なのです。言い方を変えれば、理想の弾道をコースで追い求めているときは、中々スコアを出すのは難しいと思います。それをできるのは、ほんの一握りの上級者だけですね。
同じようなスウィングスキルのゴルファーでもゴルフで良いスコアを出せる方は、ミスの幅を小さくしようと考え、中々スコアをまとめられない方は、ナイスショットの数を多くしようと考える方が多いです。
この考え方の違いがクラブ選びにも表れてきます。クラブを試打しても前者は、安定感やミスの傾向をチェックし、後者は一番飛んだ飛距離を気にします。
それが悪いわけじゃないんです。本人が楽しめればどっちだって良いんですよ。そんなの他人がとやかく言うことじゃありません。ただ本人が求めている結果がどうしても出ないとなったときに、その原因が考え方の違いによって購入したクラブに表れていることが多いです。
ちょっと脱線しましたが、そのお客様はティショットでスライスを打つことに徹したら99が出たそうです。みなさんはゴルフを楽しめていますか? 目的は何ですか? 良いスコア? それとも弾道の追求? そこをはっきりさせて目標、つまりコースでやるべきことを明確にするとクラブの選び方やセッティングをどうすれば良いかが見えてきます。
そしてクラブセッティングが決まると自身がやるべきことがシンプルになるので、ストレスが減りゴルフがすっごく楽しめるようになりますよ。