今週、来週と同じコースでPGAツアーが開催される
今週の米男子ツアーはオハイオ州開催の新設大会「ワークデイ・チャリティオープン」です。松山英樹は2014年にPGAツアー初優勝を挙げた場所、ミュアフィールドビレッジGC(MVGC)で行われる同大会を初日5アンダー「67」と好スタートを切っています。
まだ正式にPGAツアーメンバーになる前の2013年にプロ転向した松山は、6試合のスポット参戦で翌年の出場権を獲得し、10月に同コースで開催された米国対世界選抜(欧州を除く)の団体戦「プレジデンツカップ」に出場。アダム・スコットとチームを組み健闘をみせるものの1勝3敗1分という結果でした。
そして翌年2014年の「メモリアルトーナメント」で通算13アンダーでプレーオフに突入、ケビン・ナを下しツアー初優勝を遂げます。
過去8年間の松山英樹がミュアフィールドビレッジGCでプレーした結果(2013年のプレジデンツカップを除く)は下記の通りです。
初日 | 2日目 | 3日目 | 最終日 | 最終スコア | ||
2020 | ? | 67 | ||||
2019 | 6位 | 71 | 70 | 64 | 72 | 277(-11) |
2018 | 13位 | 65 | 71 | 71 | 71 | 278(-10) |
2017 | 45位 | 70 | 74 | 76 | 70 | 290(+2) |
2016 | 予選落ち | 74 | 73 | 147(+3) | ||
2015 | 5位 | 64 | 71 | 71 | 70 | 276(-12) |
2014 | 優勝 | 70 | 67 | 69 | 69 | 275(-13) |
今週の試合は「メモリアルトーナメント」ではないのでグリーンのスピード設定やラフの深さの厳しさは減少していると選手やキャディたちからのコメントがありますが、それでもしっかりとボールコントロールを向上させパーオン率は89%(18ホール中16回)と松山らしいアイアンデータを残しています。 67は1イーグル(15番)、5バーディ、1ダブルボギー(13番)という内容でした。
初日7アンダーで単独トップのコリン・モリカワと松山の今大会初日の基本データを比較してみましょう。
C・モリカワ | 松山英樹 | |
スコア | 65 | 67 |
フェアウエーキープ | 12 / 14 | 10 / 14 |
パーオン | 14 / 18 | 16 / 18 |
パット数 | 27 | 28 |
3パットホール | 0 | 0 |
バンカー | 0 / 1 | 0 / 0 |
リカバリー | 3 / 4 | 1 / 2 |
アイアンの切れ味(5メートル以内のチャンスにつけた回数)、距離別のパッティングスタッツ、そしてパー5でのパフォーマンス比較など、玄人好みの分析データでも互角の内容だということがわかりますね。
C・モリカワ | 松山英樹 | |
5m以内のチャンス | 8回(5回沈め) | 8回(4回沈め) |
3メートル以内のパット | 14 / 15 | 16 / 16 |
3メートル~6メートル | 3 / 8 | 1 / 7 |
パー5 通算スコア | -3 | -4 |
パー5 2オン成功 | 1回 | 1回 |
パッティングは単に長さの比較だけで、比較的シンプルなラインなのかそれとも難しいラインだったのかというのは出てきませんが、やはり松山にとっての課題のひとつである3メートルから6メートルをどれぐらいの割合でチャンスをものにできるかというのが鍵になってくるでしょう。
大会初日は7回トライして1回沈め14.2%。今シーズンのランクで松山の3メートルから4.5メートルはツアー151位(26.8%)、4.5メートルから6メートルになるとツアー175位(14.3%)というデータになっています。パッティングに頼らずにもっとアイアンショットを3メートル以内にビシビシと寄せてくるとバーディー率は上がるでしょう。
最後になりましたが今週のトラックマンデータは17番ホール計測です。飛ばし屋キャメロン・チャンプと松山英樹、そして優勝した2014年の第2ラウンド17ホールの数値を比較してみましょう。
大会初日はチャンプと松山の差は5ヤードだけでしたが、ボールの初速はだいぶ違いがあるのがわかります。チャンプは相変わらずスピン数値が高め(3160)の低空飛行(打ち出し6.5度)。松山は打ち出し10.4度、スピン量2500回転台に抑え距離を出しています。
C・チャンプ | 松山英樹 | 松山英樹 (2014年) | |
測定ホール | 17番 | 17番 | 17番 |
ヘッドスピード(m/秒速) | 55.6 | 51.5 | 51.0 |
スピン量(rpm 回転数毎分) | 3160 | 2588 | 2189 |
打ち出し角度 | 6.5 | 10.4 | 11.0 |
ボール初速(メートル/秒速) | 85.4 | 77.9 | 75.5 |
飛距離(ヤード) | 331 | 326 | 279 |
ジャック・ニクラスが設計をしたミュアフィールドビレッジでは来週も試合が行われ、タイガー・ウッズも出場するという発表がありました。当初予定されていたファン観客を受け入れる事は取りやめとなってしまったのは残念ですが、松山英樹の切れ味のあるショットが戻って来ているようので今週末、そして来週は本当に楽しみな争いになることでしょう。