ショットやパットをする際に、迷いや雑念が頭をよぎるのはゴルフではよくあること。集中力をつかさどる前頭葉の体力であるウィルパワーを奪うのはこの迷いや雑念だという。プロも教えるメンタルコーチ・池努がウィルパワーを節約するカギ「習慣化」を解説する。

「習慣化」すれば迷いや雑念による消費を防げる

人間と他の動物の脳を比較した時に大きく違うことのひとつが前頭葉の大きさであり、この前頭葉の発達により他の動物にはない人ならではの思考や感情を可能にしています。そしてこの思考や感情をコントロールする力は「ウィルパワー」と呼ばれ、ゴルフで集中するときもこのウィルパワーを使います。

ウィルパワーは前頭葉の体力のようなモノで使うと消費されていきます。このウィルパワーを節約するには「習慣化」が最適な方法です。習慣化すれば無意識的に行動することができるので判断する数を減らすことができるからです。

読者の皆さんも「今日は歯磨きをするか、しないでおこうか?」と悩むことはないはずです。それは習慣化されているために何の判断もなく起きたら顔を洗い、歯を磨くことを無意識で行動できてしまうからです。

逆にウィルパワーを浪費してしまうものは、迷いや雑念を抱きながらプレーすることです。これまでサポートしてきたプロゴルファーに「良いゴルフをしているときはどんなことを考えている?」と質問すると決まって「何も考えていない感じですね。考えているのは次のプレーをどうするかというシンプルな思考になりますね」と答えてくれます。迷いも雑念もなくシンプルな思考でゴルフをできているときはウィルパワーを不要に消費せずに集中も続きやすいのです。

逆に「調子が悪い試合では何を考えている?」と問うと、「前のホールのミスやスウィングのこと、次のプレーへの不安を考えてしまう」というのです。迷いや雑念が多い状態でプレーしていてはウィルパワーがどんどん消費され、集中するためのエネルギーは尽きてしまいます。

画像: 入れなければならない短いパットで迷いや雑念を持ったまま打つと集中力の低下につながるという(写真/姉崎正)

入れなければならない短いパットで迷いや雑念を持ったまま打つと集中力の低下につながるという(写真/姉崎正)

たとえば、実際のラウンドで、目の前に入れなければならない短いパットがあるとして、ラインやストロークに迷いを持ったまま打ったことで引っかけてしまい、結果が伴わなかったとします。そのときに頭のどこかで「あのパット、なぜ引っかけたのだろうか?」とモヤモヤとした雑念が残ると思います。

このような場合は、ラインにせよストロークにせよ「確信がなくても必ず決めてそのラインでやりきる」、と決めてパットをする。これをスタンダードにしていけば「習慣化」されはじめ、決めることが当たり前になるはずです。しっかりと決めた上でのやりきったミスであれば「ああしておけば」というモヤモヤも残りにくくなります。どっちつかずの判断に迷った挙句にミスをすることが一番の雑念として残ることは何となくわかるはずです。

迷ったときこそ、ひとつに決めてやり抜くと決めておき、その自分を習慣化する。ショットのルーティンやパットのルーティンも決めておく。難しいホールの情報はあらかじめシミュレーションをした上でラウンドするなど、これらを習慣的に行い自動化させることができればウィルパワーは節約でき、最後まで集中力を保つことにつながるはずです。やはり、習慣化はメンタルにとっても強い味方になりますね。

このような話をするとよく質問されることが「ラウンド前のルーティンなども決めておいたほうがいいのでしょうか?」という問いです。これに関しては不要だと考えています。スタート時間の何時間前に入り、お茶・ストレッチ・練習などのモーニングルーティンを決めておきたいゴルファーもいます。

しかし、それは環境や同伴者との兼ね合いがあったり遂行できない可能性も高いので、自分がコントロールできる範囲のルーティンをつくることがおすすめなのです。そういう意味ではラウンド前のルーティンはあまりおすすめではありません。逆にできなかったときに「ルーティンができなかった。なんか気持ち悪いな」という雑念につながる傾向があるからです。

集中力を維持するためにはウィルパワーの不要なロスを減らすための習慣化について解説していきました。ご自身のゴルフマネジメントに活かしてもらえれば幸いです。

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