女子プロが多数出場したチャリティトーナメント「ISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメント」で優勝した吉川桃。ノーボギーの安定したプレーを見せたスウィングをプロゴルファー・中村修が撮りおろし写真で解説する。

早い段階でフェースをボールに向けるから、曲がらない

2017年のプロテストに合格した98年生まれの22歳、黄金世代の一人です。昨年はステップアップツアー開幕戦「rashink×RE SYU RYU/RKBレディース」で初優勝し賞金ランクは8位で終えています。

クラブ契約を結ぶピンのツアー担当者によると「おっとりした性格だが根気よく練習を積み重ねられる強さを持っている」といいます。試合が少ない中で2日間12バーディノーボギーで勝利をつかむところは、普段からの準備ができていたことと、攻めるゴルフを貫けたからではないでしょうか。

画像: ISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメントで勝利した吉川桃

ISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメントで勝利した吉川桃

スウィングを見てみると、オーソドックスなスクェアグリップで”ホバー”と呼ばれるクラブヘッドを浮かせて構えるタイプです(画像A)。安定感のある下半身に支えられた深いトップは、非常にバランスが取れています。

画像: 画像A :オーソドックスなスクェアグリップで握りヘッドを浮かせて構える。どっしりとした下半身に支えられた深いトップ

画像A :オーソドックスなスクェアグリップで握りヘッドを浮かせて構える。どっしりとした下半身に支えられた深いトップ

画像Bの左はトップから切り返してダウンスウィングに移行した直後ですが、左への踏み込みで切り返した直後に左手首がフラットになり、フェースが早い段階で閉じてきていることが見て取れます。右の画像では、左手首がフラットなままインパクトを迎えることでフェース面のコントロールがされ、方向性のよさを表しています。

画像: 画像B:左手首をフラットにしフェースを早い段階からボールに向け、その向きを変えずにインパクト。方向性の良いスウィング

画像B:左手首をフラットにしフェースを早い段階からボールに向け、その向きを変えずにインパクト。方向性の良いスウィング

しっかりと鍛えられた安定感のある下半身は、一年間戦える体力を身につける準備をしていることの表れだと思います。飛距離はそれほど出るタイプではないようですが、その伸び代はまだまだありそうですし、今季は飛躍のシーズンになるのではないでしょうか。

QT(予選会)ランク34位の資格で出場した今季初戦の「アース・モンダミンカップ」では予選落ちを喫しましたが、次戦の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」では攻めのゴルフで上位争いを期待したいですね。

撮影:姉崎正

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