ゴルフに対してストイックになって練習しているのにスコアが伸びない。もしかしたらそのストイックすぎる姿勢が、かえってパフォーマンスを引き出す妨げになっているのかも。プロも指導するメンタルコーチ・池努が、パフォーマンスをアップのキーワードは「遊び心」だと教えてくれる。

「仕事」と考えすぎることでパフォーマンスが低下していたあるプロの例

かつてサポートしたある20代男子プロゴルファー(以下Yさん)は、プロになり自分のゴルフが思うようにできなくなり悩んでいました。私のところに連絡をもらった時点では本人も何がパフォーマンス低下の原因かは分からない状態で、とにかく試合になると「結果を出さないといけない」という強迫観念に似たプレッシャーが重荷になり、自分のプレーに影響しているようでした。

このような場合、メンタルコーチングのスタートとして、現在のパフォーマンス低下の根本の要因を探るために過去から今に至るまでのゴルファーとしての道のりをヒアリングしていきます。

小学生でゴルフをはじめたきっかけや、そのころどんな出来事があり、どんな気持ちでゴルフをしていたか、中学校、高校、大学、プロと同じようにヒアリングをしていきます。このようなヒアリングの中に現状のパフォーマンスの低下につながっている根本の要因が隠れていることが多いからです。

このように過去から現在を振り返る中でYさんの中で大きな気づきがありました。小学生~プロまでゴルフ続けている中でもゴルフに対するとらえ方に変化があっていたことです。

小学生では「ゴルフは遊びの一つ」、中学生では「ゴルフは遊びでありスポーツ」、高校生・大学生では「スポーツ」、プロでは「仕事」というように。

そして、Yさんは高校生・大学生時代のゴルフのパフォーマンスが高く、その時期はとにかくゴルフを楽しめていました。そして、そこに「遊び心」があったそうなのです。

画像: ストイックになり過ぎるあまり心が窮屈になりパフォーマンスを引き出せていない場合は、「遊び心」を持って取り組むことで楽しめるようになるという(写真/小林司)

ストイックになり過ぎるあまり心が窮屈になりパフォーマンスを引き出せていない場合は、「遊び心」を持って取り組むことで楽しめるようになるという(写真/小林司)

Yさんは公式戦でもひらめいたアプローチやパットの打ち方を試してみるというように試合本番でも「遊び心」を持ってプレーができていたことが、振り返るとゴルフのハイパフォーマンスにつながっていたのではと気づいたのです。

しかし、プロになりスポンサーが複数社つき、出したい結果が思うように出ない時期が続くことで彼の中でいつの間にかゴルフが「しなければならない仕事」になり、かつて大事にしていたマインドである「楽しむ」「遊ぶ」どころではなくなっていたのです。

彼はこのセッションを通じて、ゴルフを学生時代のようにスポーツとしてとらえ、遊び心を持って楽しもうとマインドセットすることになりました。そして、プレッシャー自体を楽しめるようになり次第に学生時代のような自分らしい思いきりのあるパフォーマンスを取り戻していったのです。

ちなみにですがスポーツ(sport)という英語の語源をしらべるとラテン語の「deportare」(デポルターレ)です。これは、日々の生活から離れること、気晴らしをする、休養する、楽しむ、遊ぶなどを意味します。そもそもゴルフなどのスポーツは日常の仕事や生活から離れ、心を癒す存在またはエネルギーチャージをするものとして発展してきたのですね。

多くのゴルファーはYさんと同じように最初は「遊び」からゴルフをはじめたのではないでしょうか。そして、腕前が上がり次のステージのレベルやスコアを追求する過程で遊びが遊びではなくなり、「こうでなければ」と自分のメンタルを窮屈にしているケースもよく耳にします。そのような窮屈なメンタルになっていると感じる方は「遊び心」を意識することも良いきっかけになるかもしれません。

心理学者のレネ・プロワイエ博士が約4000人に行った研究でも「人の遊び心は幸福度と高い相関がある」と結論づけられています。シンプルに遊び心がある人ほど、人生の幸福度、人生のパフォーマンスは高まる傾向にあるようです。あなたのゴルフにも改めて遊び心を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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