今年2試合目となった国内女子ツアーのNEC軽井沢72ゴルフトーナメントでとんでもない19歳が出現した。笹生優花。プロデビュー2戦目で後続に4打差をつける圧勝。280ヤード超えの飛距離を誇る彼女には早くも“憧れの人”超えの予感が漂っている。

ショット力、飛距離、語学力を兼ね備える

最終日、笹生と同組で回り2位タイに入った藤田さいきが舌を巻いた。ツアー5勝を誇る34歳が「ショットの威力がすごい! 早く米ツアーに行ったほうがいい。スケールの大きいプレーをする。日本じゃ手狭」と絶賛した。

「タイガー・ウッズとプレーしているかのよう」と先輩プロにいわしめた19歳のスウィングはたしかにロリー・マキロイのような雰囲気を醸し出しフィニッシュのバランスの良さが体幹の強さを物語る。

藤田もかつて飛ばし屋として鳴らし、デビュー当時父親が「うちの子を女子プロ界初の300ヤードヒッターにする」と語っていたもの。いまでも飛ぶほうだがその藤田が、15歳年下のルーキーがパー5の第2打でアイアンを持ちグリーンに載せる姿に「すっかり見入ってしまった」と嘆息した。

画像: ツアー初優勝を挙げた笹生優花(写真は2020年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

ツアー初優勝を挙げた笹生優花(写真は2020年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれた笹生は小学校に上がる前にクラブを握ると「宮里藍さんみたいなプロゴルファーになる」という夢を胸に小学校3年から母の祖国でゴルフに没頭。アマチュア時代から世界を転戦し昨年のプロテストに合格、今季ツアーデビューを果たした。

宮里は日本ツアーで2年プレーしてから米ツアーに主戦場を移したが当初は欧米の飛ばし屋を相手に知らず知らずのうちに飛距離を欲しがりスウィングを崩しスランプに陥ったことも。すぐにでもアメリカで優勝すると思われていたが結局初勝利を挙げたのは4年目だった。

自分に憧れクラブを握った世代が海外に挑戦することについて以前宮里は「私と違っていまの子たちは飛びます。それは大きなアドバンテージ。どんどん挑戦して欲しい」と語っていた。

藤田が「アメリカの男子ツアーでも通用するのでは?」といった笹生には飛距離以外にも武器がある。それは語学力。宮里の場合は言葉を習得するまでに時間を要したが笹生はいまそのまま米ツアーへいっても言葉で苦労することはない。英語、フィリピン語のほか韓国語やタイ語も流暢にこなすというからどこにいっても“ホームの感覚”で戦うことができる。

憧れの人・宮里は日本で15勝、米ツアーで9勝。果たして笹生はその数字をどれだけ上回ることになるのだろう。

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