ヘッドスピード35~38m/sで打つと低スピンの“重い球”が打てる
キャロウェイの2020年モデルであるマーベリックシリーズ。発売当初からドライバーには3タイプヘッドが用意され、幅広いゴルファーに対応し、飛びを意識したマーベリック(スタンダード)、プロやアスリートに向けたつかまりを抑えたSUB ZERO、そしてアベレージゴルファーに向けたミスに強いMAXとドライバーに求められるニーズを網羅したラインアップで発売から半年がたった今でも人気を博している。
そんな中、7月に第4のドライバーが発表された。それがマーベリック MAX FASTだ。
マーベリック MAX FASTはヘッドスピードを上げたいゴルファーやレディスクラブでは物足りない女性ゴルファーをターゲットに開発された軽さを売りにしたモデル。クラウン部だけでなくソール部にもカーボンを多用し、重量増になるネックの弾道調整機能を省くなどの効果で、総重量は270グラム台前半と「MAX」と比べて20グラム弱も軽量化されている。果たして軽いドライバーは本当に飛ぶのか!? クラブフィッターの小倉氏に検証、分析してもらった。
「MAX FASTは一言で言えばパワーのないゴルファーが飛ばせる仕様のモデルです。非常に軽く仕上げられていて、軽ければ小さな力でヘッドスピードを高めやすくなります」(小倉氏、以下同)
実際に小倉氏が試打してみると「振ってみるとやはり軽さを感じます。軽やかにフィニッシュまで振り抜けますね」と語る一方で、「振れば振るだけ飛ぶ、といったクラブではない」という。
「個人的感覚ではヘッドスピード35~38m/sで打つと、低スピンで重い弾道が打てました。ヘッドスピード40m/sぐらいまではそれが続きますが、それ以上速く振るとややスピンが増えてちょっと飛距離ロスをしている印象です。そういった場合は、他のマーベリックシリーズのほうが効率良くロスの少ない弾道が打てると思います。ヘッドを4つも用意しているだけあって、対象としたゴルファーが最大限ポテンシャルを発揮できるように設計されているといった印象を受けました」
4モデルとも試打の経験がある小倉氏によれば、ミスヒットへの寛容性に関しては「MAX FASTが4つのモデルの中で一番強いです」という。
「言い方が悪いですが、ポンポン雑に打っても安定した弾道で飛んでいってくれます。この安心感は大きいですよ。つかまりは良いですが、極端につかまるといった仕様ではなくスライスがフェードぐらいになる印象。曲がりを抑えて強い弾道で安定して飛ばせる仕様です。従来のMAXでは、ボールが上がりきらない。フィニッシュまで振り切るのが少しつらいなんて方は、MAX FASTはピッタリだと思います」