テーラーメイドのミルドグラインド2ウェッジをベースに、タイガー・ウッズ仕様にチューンされた「TW12」と「TW11」が限定セットとして発売となった。いったいどのような仕上がりになっているのか。また、タイガーのウェッジに対するこだわりとは? 在米ゴルフジャーナリスト・アンディ和田がレポート。

タイガーのウェッジ、56度と60度がセットで8万円

タイガー・ウッズのウェッジが「テーラーメイド ミルドグラインド2 ウェッジ タイガー・ウッズ BOX セット」としてリリースされ、話題になっています。

画像: タイガーチューンのミルドグラインド2ウェッジが販売となった

タイガーチューンのミルドグラインド2ウェッジが販売となった

タイガーがナイキからテーラーメイドのウェッジに変えたのは2018年5月末。その時はプロトタイプバージョンでしたが、昨年夏からはミルドグラインド2をタイガー仕様にチューンした56度と60度を使っていて、バックフェースにはそれぞれ「TW・12」(56度)、「TW・11」(60度)と彫られています。

プロに転向する前からタイガーのウェッジセッティングはPW49度、そしてサンドウェッジ56度、ロブウェッジ60度という設定。「クリーブランド TA588RTG」「タイトリスト ボーケイ」「ナイキVR」「テーラーメイド ミルドグラインド2」とクラブ契約先の変更とともに使用モデルは移行してきていますが、ココは変わっていませんよね。

画像: 上が56度のTW 12、下が60度のTW 11

上が56度のTW 12、下が60度のTW 11

ツアープロの多くはウェッジのバウンス角は4度から8度と少ない角度を好みますが、タイガーモデルは12度(56度)と11度(60度)のバウンス角です。これについてタイガーはこう話します。

「私のクラブのバウンスはリーディングエッジ(前方部)に多めにつけてある。これによってクラブが地面に刺さらずに抜けていくんだ。またヒール側は削り落としてあり、他の選手のウェッジよりも丸みがあると思う。いろいろな状況、条件に対応できるようにバウンス角を使うんだ」(タイガー)

画像: 構えた見た目

構えた見た目

また、テーラーメイド独自のマシンソール加工によって「すべてのウェッジの仕上がりが同じなので毎週新品のウェッジを使用するんだ。溝の消耗を心配せずに同じようにスピンを計算できるので安心感がある」とも語っていました。

画像: フェース面だけノンメッキ仕様となっていて、溝のエッジが立ち安定したスピンがかかりやすいという

フェース面だけノンメッキ仕様となっていて、溝のエッジが立ち安定したスピンがかかりやすいという

タイガーモデルのクラブはこれまでいろいろ限定発売で市販されてきました。ナイキではドライバーやアイアンがリリースされましたが本人が使うクラブとは異なるモデルで、クラブマニアの中では今ひとつの評判だった記憶があります。

またタイガーが使うスコッティ・キャメロンパターはドイツ製のステンレススチール素材で、同じニューポート2モデルは80万円から100万円という驚くような値段のようです。

昨年はテーラーメイドからタイガーが使用する「P・7TW」という小振りのマッスルバックアイアンセットが発売になりました。構えた感じはとてもシャープでとても美しい仕上がりのアイアンですが、ちゃんと使いこなせるゴルファーは本当に限られたスピードのある上級者のみだったと感じました。

画像: シャフトはダイナミックゴールド ツアーイシューのS400フレックス

シャフトはダイナミックゴールド ツアーイシューのS400フレックス

今回のウェッジはタイガーが使用しているモデルとまったく同じ。なおかつゴルファーのヘッドスピードに関係なくグリーン周りで使えるので一般ゴルファーでも十分使用できます。PGAツアーでも同じテーラーメイド契約のジョン・ラーム(スペイン)が60度の「TW11」を使用してメモリアルトーナメントで優勝を飾っています。

気になる値段ですが、豪華な化粧箱付きの2本セットで8万円(税抜)。タイガーのようなスピンのかかったショットでチップインができなくても、クラブフェースを開き気味にしてロブショットを挑戦してみるのはいかがでしょうか?

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