左手の”小指と薬指”でクラブを引っ張る
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。何度も言っていますが、やっぱり飛距離が欲しいんです。もちろん飛べばスコアが良くなるってもんじゃないのは分かっているのですが、やっぱり飛ばしたいんです。もし10ヤード飛ぶようになれば、1番手短いアイアンで次のショットを打てるわけですから、楽になるじゃないですか。もちろん曲がらないってのが条件ですけどね。
しかし僕も50歳を過ぎて、ヘッドスピードも徐々に落ちてきて、これから飛距離を伸ばすってのはなかなか難しいんじゃないかと思うんです。でも月刊ゴルフダイジェスト10月号の「50歳からのヘッドスピードアップ大作戦!」という記事に、僕と同年代の深堀圭一郎プロがヘッドスピードアップのために取り組んでいることが乗っていました。実際に深堀プロはこの方法で若い頃の飛距離を取り戻しているとか。これはやらずにはいられません!
記事によると深堀プロは右手主体でスウィングをしていたそうなんです。関節の可動域や筋力があると右手主導でもいいタイミングで打てるらしいのですが、歳を重ねることでトップが浅くなったりすることで「振れる」感覚が持てなくなってきていたのだとか。僕もかなり右手で打ってしまうタイプなので、同じような症状のような気がします(まったくレベルが違うので怒られそうですが)。
その振れなくなっていた右手主体のスウィングを深堀プロは体の左サイドを使うようにすることで「振れる」スウィングにしたというんです。その方法が「左手の”小指と薬指”でクラブを引っ張る」という方法。左手の小指と薬指でクラブをしっかりと握りスウィングをリードすることで、右に頼らずスムーズに振れるようになったそうです。
左手の小指と薬指に力を入れることでどういうメリットがあるのでしょうか? まずはアドレスでの余計な力が入らなくなります。小指と薬指に力が入ると両肘がお腹側を向き、自然に上半身の力が抜けるんです。左手に意識が行くことで右手の力が抜ける感覚もありますね。
2つ目はバックスウィングで体が回りやすくなります。左手リードでバックスウィングを上げると、肩が頭の下に入るだけで無理なく体を捻転させることができるんです。やってみると右手でクラブを上げると、体を捻らなくても腕だけでヒョイッと上げることができますが、左手で上げていくと自然と体が捻転していきます。
3つ目は背中の筋肉でクラブを下ろせるようになります。グリップをしっかりと握ることで、手先の動きが制限されます。そのために体の大きな筋肉を使ってクラブを振る感覚が出やすくなるんですね。体感を使うスウィングになることで軸が安定して、ヘッドも走るようになります。
左手リードのイメージで、本当にこんなにスウィングが変わるのか、実際にボールを打って検証してみました。僕の場合はもともとかなり右手で打つイメージが強かったために、左手の2本の指でしっかり握るというのが最初は違和感がありましたが、すぐに慣れて、けっこうしっくり来るようになりました。右手の力が自然に抜けるところも良いですね。
テークバックも左手リードで上げるようにすると自然と体が回るようになり、いい感じのトップになります。オーバースウィングにもなりにくい。
トップまでは左手リードの効果がかなりある感じなのですが、問題はダウンスウィングです。背中の大きな筋肉でクラブを下ろすイメージで振るのですが、僕の場合気をつけないとトップから上体が先に動いてしまい、けっこうなアウトサイドインになることがありました。やはり切り返しは下半身から始動するイメージで、その後に背中の筋肉で振り下ろすようにしないといけませんね。
慣れてくると左手リードでスムーズに振れるようになりましたが、やっぱインパクトのときは右手を使ってボールを叩くというか、捕まえていくようにしたほうが強い球が出るように感じました。テークバックからトップ、そしてインパクトの前までは左手で引っ張って、インパクトでは右手も使ったほうが気持ちよく振り抜けます。
今までになかった感覚でボールを捉えられるのでこれはいいんじゃないかと思いました。実際にドライバーショットを計測してみましたが、少し弾道が低めの強めの球になり、ヘッドスピードも1m/sですがアップしていました。このスウィングに慣れてきたらもう少しヘッドスピードも上がるような気がします。
年齢に関係なく、右手で当てに行くようなスウィングになってしまっている人は、この左手リードスウィングを試してみるとスウィングのイメージが少し変わるかもしれませんよ。