2020年秋は各メーカーがニューモデルを続々と発表しているが、業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人は、とくに海外ブランドのドライバーについて、「とにかく曲がらない!」と評する。その真意は?

インテンショナルに曲げるのが難しい

みなさんこんにちは。ギアオタク店長小倉です。今年はコロナ渦の影響により、新製品の発表、発売が9~10月に集中するといった異例な状態になっています。主要なメーカーのほとんどがクラブを発表しており、クラブごとのスペックや特徴などを頭に叩き込む日々が続いております。

ありがたいことに試打させて頂く機会もありまして、クラブの進化を肌で感じる今日この頃です。今回は一通り試打させて頂いたので新製品ドライバーの個人的な感想を総括してみたいと思います。いっぺんにはお話できないほどの数が発表されていますので、今回は海外ブランドに絞ってお話していきますね。

画像: 2020年秋発売の海外ブラドライバー「G425」3モデル(左。画像はMAX)、「SIMグローレ」(中)、「ビッグバーサB21」(右)をそれぞれ打った小倉氏が、全体的な進化の傾向を総括した

2020年秋発売の海外ブラドライバー「G425」3モデル(左。画像はMAX)、「SIMグローレ」(中)、「ビッグバーサB21」(右)をそれぞれ打った小倉氏が、全体的な進化の傾向を総括した

8月以降に発表された主だった海外ブランドのクラブは、

・PINGのG425シリーズ
・テーラーメイドのSIMグローレ
・キャロウェイのビッグバーサB21

といったところ。

G425シリーズは前作を越える高い慣性モーメントを実現することで、ミスに強く曲がりを抑えた性能をさらに磨きをかけた仕上がり。適度なつかまりとミスへの強さを兼ね備えたMAX、つかまり性能を高めて右へのミスを抑制するSFT、スピンを減らして強い弾道を打ちやすくするLSTと3タイプラインアップしており、幅広いゴルファーに対応できるようになっています。

画像: 左から、ピン「G425 MAX」、「G425 SFT」、「G425 LST」

左から、ピン「G425 MAX」、「G425 SFT」、「G425 LST」

SIMグローレは、SIMシリーズで培ったテクノロジーを、日本市場向けにつかまりを高めた設計のグローレに搭載することでより日本のゴルファーがやさしく飛ばせるモデルになっています。

画像: テーラーメイド「SIMグローレ」

テーラーメイド「SIMグローレ」

ビッグバーサB21は、つかまり性能を高めつつ、深低重心設計、慣性モーメントを高めることでつかまりやすく直進性の高い、高弾道の球が打ちやすい設計です。

画像: キャロウェイ「ビッグバーサB21」

キャロウェイ「ビッグバーサB21」

キャロウェイにはマーベリックのツアーモデルなどもリリースされていますが、限定モデルということもあり、こちらは試打することができていません。これも試打する機会があれば是非打ってみたいですね。

試打させて頂いた総括としては、本当にボールが曲がらなくなったなというのが率直な感想です。どのモデルも芯を少々外してもサイドスピンがほとんどかからず、大きな曲がりになりません。インパクトでフェースの向きがズレていれば狙った方向から離れては行きますが、それでもサイドスピンが大きくはかからない。もちろんミスしても曲がらないのですから、インテンショナルにボールを曲げようとしても曲がってくれませんでした。

もはや世界のトッププロがこういったクラブを好むのですから、当然と言えば当然ですし、アマチュアにとってはインパクトでのフェースの向きだけをコントロールできれば結果が得られやすくなるわけですから、たまらないクラブばかりです。

ドライバーはティアップしたボールをほぼ平らなティイングエリアから使い、如何に正確に飛距離を出せるかを求められるクラブ。そういった意味では正常進化と言えるのですが、芝の上から使用するFWやUT、そしてアイアンなどの他のクラブとはますますかけ離れた独自の進化をしていると感じました。もはやドライバーは、他のクラブとは別のスウィングをする必要があるのではと思うほどの進化具合でした。

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