コンペや競技のスタートホール。OB杭がすぐそこに見える狭いホール。池越えのショットなどなど、ゴルフに不安はつきものだ。この不安と、ゴルファーはどう付き合うべきか。プロも教えるメンタルコーチ・池努に教えてもらおう。

人は常に不安を感じる生き物

突然ですが、あなたは現在仕事やゴルフにおいて不安や悩みはありますか? このような問いを投げかられると誰もが大小に関わらず何かしらの不安要素が見つかると思います。そして、今回の記事ではそれらの「不安との付き合い方」について紹介していきます。ゴルフや仕事、その他日常でも応用できる考え方ですのでぜひ一読ください。

さて、私は普段から様々な競技の選手のメンタルコーチをしていて感じることがあります。それは本当に人の不安や悩みは尽きないということです。私たちは常に不安を抱えながら日常を送っている事実があるようです。

ゴルフでいえば、技術が上がればミスが減り、良いスコアを出せるかもしれません。しかし、私たちは良いパフォーマンスを発揮しているときも「このまま良い状態は続くとは思えない」「頑張らないと良い状態が崩れるかもしれない」と不安になったりもするものです。

良いパフォーマンスを発揮していても不安要素が出てくるわけですから、ゴルフの調子が悪いときはさらに不安が大きくなるのは言うまでもありませんよね。これは学生ゴルファー、アマチュアゴルファー、プロゴルファーなどカテゴリーは違っても多くの人に共通することで「何かしらの不安」を感じながらゴルフをしているように感じます。

もちろん、これはゴルフに限ったことではありません。周りから見て順風満帆に見え、安定した仕事をしているように見える人でも「何かしらの不安」はあるものではないでしょうか?

画像: 「不安は悪いもの」というとらえ方を「不安があってOK」「不安があることが人として当たり前」「不安は行動のエネルギー」というようなとらえ方に変えることが大切(写真/有原裕晶)

「不安は悪いもの」というとらえ方を「不安があってOK」「不安があることが人として当たり前」「不安は行動のエネルギー」というようなとらえ方に変えることが大切(写真/有原裕晶)

科学的にも人はうまくいっているときですら不安を感じることがわかっています。米国のノックス大学の心理学者フランク・マクアンドリュー博士は「人は“今”がもっとも不安を感じるように適応してきた」と言っています。

人は不安があることが当然の生き物であるということです。そして、さらに認識すべきポイントは、実はこの『不安が人を前進させるエネルギー』になっているということです。この認識が本当に重要です。

たしかに「今の私は完璧だ」と認めてしまい、不安をゼロにし安心しきったとしたら今の状態を維持するための行動へのモチベーションも出てきません。常に不安があるからこそ、その不安を払拭するために自然と行動しようとする心理的なプログラムが人には備わっているのです。

しかし、一般的にはこの「不安を持った状態」をネガティブでマイナスなものだととらえられていることが多いと感じます。今回のテーマである「不安とうまく付き合う」ためにはこの認識を再構築することをおすすめします。「不安は悪いもの」というとらえ方を「不安があってOK」「不安があることが人として当たり前」「不安は行動のエネルギー」「というようにとらえ方に変えるのです。

コンペや試合に向け、「うまくいくかなぁ」と不安になる、ゴルフ当日のラウンド中に「またミスしたら」「スコアが出せなかったら」「ショット曲がってしまったら」と考えてしまうこと自体を「不安になってもOK」と認めてしまうわけです。実際、このようにマインドチェンジしたプロゴルファーは不安になる自分を認めることができて不安な感情やマイナスイメージも減ったと口を揃えて言われています。

まとめると、

1.人は常に不安を持つ生き物
2.不安は成長や行動のエネルギーになっている
3.「不安になってもOK」ととらえる

このように、シンプルな認識をしていくということでした。不安があるから行動するエネルギーになり、その不安になる感情は当たり前のものであるということですね。今回の記事があなたのよりよい感情マネジメントにつながれば幸いです。 

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