大慣性モーメントでミスヒットに強い! ということをウリにする外ブラドライバーが人気を集める中、この秋発表された国産ドライバーは独自の進化を遂げつつあると業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人は言う。その進化の中身とは!?

国産ドライバーの個性が際立ってきた

みなさんこんにちは。ギアオタク店長小倉です。今回は2020年9月以降に発表、発売される国産ブランドの新製品ドライバーの個人的な感想を総括していきたいと思います。

9月以降に発表された主だった国産ブランドのドライバーは、

・ブリヂストンゴルフのツアーB Xドライバー
・ダンロップスポーツのスリクソンZXシリーズ
・ヤマハのインプレスUD+2ドライバー

の3ブランドになります。(順不同)

画像: ブリヂストンゴルフ「ツアーB X」(左)、ダンロップ「スリクソン ZX」シリーズ(中。写真はZX5)、ヤマハ「インプレスUD+2」

ブリヂストンゴルフ「ツアーB X」(左)、ダンロップ「スリクソン ZX」シリーズ(中。写真はZX5)、ヤマハ「インプレスUD+2」

海外ブランドのドライバーは、ターゲットゴルファーの違いによる性能の差は多少あれど、基本的にどのモデルも直進性(サイドスピンのかかりにくさ)をかなり重視して設計しているように感じました。それに引き換え、国産のドライバーはモデルそれぞれに特色があります。

ツアーB Xドライバーは、独自の技術を多く搭載して日本人ゴルファーの飛距離を追求したモデル。物理的な数値を意識しつつも日本人ゴルファーの振り心地を重視して設計している印象があります。

画像: ブリヂストンゴルフ「ツアーB X」

ブリヂストンゴルフ「ツアーB X」

ZXシリーズは、前作よりもツアープロやアスリートゴルファーに高い評価を得るための性能を磨いてきている印象がありますね。どちらのモデルも高い飛距離性能を誇っていますが、ZX5は寛容性と直進性を重視したモデル、ZX7は操作性を重視した設計となっています。

画像: ダンロップスポーツ「スリクソン ZX5」(左)、「スリクソン ZX7」(右)

ダンロップスポーツ「スリクソン ZX5」(左)、「スリクソン ZX7」(右)

インプレスUD+2ドライバーは、アベレージゴルファーが高い満足を得るのに必要な要素をガッツリ詰め込んできている印象。ボールが自然とつかまりやすくなる大きい重心角、芯を外してもヘッドがブレにくい5000g・㎠越えの慣性モーメントと、いかにゴルファーのミスをミスにせず楽に飛ばせるかという点に重点を置いて開発されています。UD+2は飛距離はもちろん、音や感触などもこだわっていますね。

画像: ヤマハ「インプレスUD+2」

ヤマハ「インプレスUD+2」

こうして改めて性能を振り返ってみると、国産メーカーのドライバーには外ブラの“直進性重視”のような性能進化の方向性は明確に見えてきません。

強いて言うなら「ターゲット層が明確になっている」ことが共通項と言えます。だからこそ、メーカーごとに特色が出ているのでしょうね。同じアスリート向けドライバーで外ブラ的な性能を持つツアーB XとZXシリーズでも、日本人ゴルファー向けにアジャストした前者と松山英樹選手を筆頭に世界のプロの眼鏡に適う性能と言える後者では方向性も異なりますし、インプレスUD+2は明確にアベレージゴルファーのために作られたクラブですから。外ブラより兄弟モデルのラインナップが少ないのも、ターゲットが明確だからかもしれませんね。

販売という点では、海外ブランドが優勢と言っても良いと思いますが、クラブの個性や完成度は国産ブランドだって負けていません。新製品の試打クラブは、ほぼほぼ出回っていると思いますので、是非打ち比べて頂き、ベストなモデルを探してみてください。ただ今年はあまりに新製品の本数が多いので、比較試打は複数回に分けたほうがいいかも!

※2020年9月29日14時35分 文章を一部修正いたしました

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