渋野日向子選手が、先週出場した試合の初日終了後、最近の好調ぶりについて「マネジメントが良くなった」と語っていたそうです。
前後左右に振られたピンを闇雲に狙うのではなく、安全に広いほうに打つことで、無駄なボギーが減り、バーディチャンスが増やせているようで、そのことが結果につながっているという分析です。
リスクを避けて、より確率の高い選択肢を選ぶのはスコアをまとめるマネジメントの基本。渋野選手ほどのショットの精度があっても、米女子ツアーのセッティングでは“狙いすぎない”ほうがスコアになるわけで、大変勉強になります。
渋野選手ですらリスクを回避して確率の高いゴルフをしているわけですから、彼女のようなキレキレのショットが打てない僕らアマチュアはなおさらそのようなマネジメントが求められると思います。
しかし、私の過去の経験から、そのように言うと多くの場合こんなリアクションが返ってきます。
「いやいや、いくら戦略を立てたって、その通りに打てないから意味ないよ」
これは果たして本当でしょうか。たとえば、5メートルのバーディパットで考えてみましょう。とにかく入れに行く! と考えた場合と、2パットで収めることを目的に、寄せようという意識で打った場合で、結果はどう変わるでしょうか。
少なくとも、後者のほうが2パットで収まる確率は高そうですよね。下手するとワンパットの確率も高いかもしれません。意識ひとつのことで、結果に明らかな違いが生じるのがわかりますよね。マネジメントってこういうことだと思うんです。
パットとショットは別、と思われるかもしれません。しかし、バーディパットの例からもわかる通り、「なにも考えないで打つ」場合と「なにかを意識して打つ」場合では、腕前は問わず結果は明らかに変化します。
渋野日向子選手でも、より確率の高いマネジメントを選んでいる。「上手いからできる」ではなく、彼女のように上手くないからこそやるべきだと、私は思います。