ジュニア時代、松山英樹や石川遼としのぎを削ってきた目澤秀憲コーチと黒宮幹仁コーチ。大学ゴルフ部を経て指導者の道に入り、いま、日本のゴルフコーチ界で注目される2人だ。フライトスコープやインパクト解析器(GC4)を駆使し、最先端の理論に精通しているが、モットーは「教えすぎない」こと。さっそく2人に「同じ球がなぜ続かないのか」という質問を投げた。

「できるはず」の思い込みが再現力の足を引っぱる

ゴルフダイジェスト編集部(以下、GD):練習場でできることがコースでできない、コースで同じ球が続かないといった問題は、なぜ起きるのでしょう。

目澤秀憲(以下、目澤):できることとできないことが整理できていないケースが多いですね。コースだと、ライや風の状況によって、当然、練習場と同じではない場面も出てくるわけで、そこで「できるはず」と思ってしまうとあらゆるミスがおこります。

黒宮幹仁(以下、黒宮):私たちコーチの仕事は、「できることだけさせる」、「できないことはさせない」ということも含まれますからね。

画像: 目澤秀憲。13歳でゴルフを始め、高校時代に埼玉アマ7位に入る。日本大学ゴルフ部を経て指導者の道へ。米国のティーチングシステム・TPIレベル3を取得、現在、河本結・有村智恵らを指導。ファイブエレメンツ西麻布店ヘッドインストラクター。

目澤秀憲。13歳でゴルフを始め、高校時代に埼玉アマ7位に入る。日本大学ゴルフ部を経て指導者の道へ。米国のティーチングシステム・TPIレベル3を取得、現在、河本結・有村智恵らを指導。ファイブエレメンツ西麻布店ヘッドインストラクター。

目澤:トッププロでも、長く活躍している人は、自分の弱点を理解して、それに合ったスウィングマネジメントができます。今は、スウィングチェックできる機器が充実しているので、アマチュアも弱点がデータでわかります。弱点を理解したうえで、練習ではその部分を強化しつつ、コースでは、弱点が露呈しないようなマネジメントを心がけるといいですね。

黒宮:ゴルファーなら誰でも、「あれもこれも」と試してみたくなるのは当然ですが、先ばかり見ていると、途中で自分を見失ってしまうことも多いんです。だから、「振り返る」というのは意外に大事で、今、自分がどのあたりにいるのか、振り返って確かめることが必要です。それをしておかないとコースへ出た時に拠りどころがなくなります。

画像: 黒宮幹仁。10歳でゴルフを始め、福井工大付属高校ゴルフ部時代に中部ジュニア優勝。日本大学ゴルフ部を経て指導者の道へ。松田鈴英・梅山知宏をはじめ、福井工大高校ゴルフ部を指導。黒宮ゴルフアカデミー主宰。

黒宮幹仁。10歳でゴルフを始め、福井工大付属高校ゴルフ部時代に中部ジュニア優勝。日本大学ゴルフ部を経て指導者の道へ。松田鈴英・梅山知宏をはじめ、福井工大高校ゴルフ部を指導。黒宮ゴルフアカデミー主宰。

目澤:「弱点補正」の取り組み中は、「行ったり来たり」を繰り返すことが往々にしてあります。私が教えている生徒さんのなかにも、少し前に教えたことをすっかり忘れて、できなくなっている人がいます。真剣に取り組んでもそうなってしまう場合には、別のやり方を提案するとか、こちらも真剣になります。

黒宮:私たちコーチは、生徒さんに寄りそうことを第一に考えていますが、生徒さんにはとにかく私たちを信頼してほしい。レッスンの内容を受け入れてもらえないと、結局、上達=再現力が遠回りになることが多いですから。

戻る場所をもっておく、練習をしていますか?

GD:弱点克服のためには心がけることは?

黒宮:いかに早く、スウィングのコツをつかめるのか。コツというのは「自分なりの上手くいくやり方」です。それがあれば、そこを重点的にやるだけでいいですからね。

目澤:スウィングのポイントをひとつだけに絞ることができれば、ミスが出ても、「戻る場所」ができます。コースで緊張感があるなかでも対応できるし、再現性も高くなります。

黒宮:「いいミス」を繰り返すことが上達の近道ですね。やるべきことがわかっていて、それができずに起こるミスは「いいミス」です。いいミスは克服できます。

同じ球を続けるには、最下点の安定に尽きる

GD:最後に質問を戻して、もう一度聞きます。「同じ球を続ける」のに必要なものとは?

目澤、黒宮:「最下点の安定」です。

黒宮:スウィングの円弧がいつも同じ場所にあれば、最下点の位置も同じになる。毎回、地面の同じ場所を叩けることになるので、打球が安定して、それがスウィングの安定につながります。最下点が右にずれると、ボールに「届かない」と感じるので、リリースが早くなりミスが起こります。

画像: 「最下点の安定を目指すとゴルフが安定し始めます」

「最下点の安定を目指すとゴルフが安定し始めます」

目澤:プロもアマも、最下点の安定を目指す点は同じで、そこからどのくらいスピードを上げるのか、精度を求めるのか、という話になります。アマチュアの方は、フェースの向きや軌道を気にする傾向がありますが、最下点がそろってくれば、それも自動的に良くなるぐらいの気持ちで、「最下点最優先」で練習するといいですよ。それが「同じ球」への第一歩です。

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