デカヘッド的性能を持ちつつもシャープな見た目を実現
ダンロップゴルフ今秋発売したスリクソンブランドのニューモデル「ZXシリーズ」。とくにドライバーは、契約プロの松山英樹がPGAツアーで使用し383ヤードを記録するなど、発売前から話題を呼んでいた注目モデルだ。
ZXシリーズのドライバーのヘッドはZX5とZX7の2種類。松山はどちらも実戦投入し、どちらを使用するか入念なテストを行っているようだ。日本のメーカーが作る世界で戦うためのドライバーとは、一体どんな性能なのか。
クラブフィッターの小倉勇人氏はZXドライバーを「簡単に表現すると『海外ブランドの流行を取り入れつつも日本人好みの顔をしたモデル』といった感じ。 良い意味で見た目と性能のギャップがあるクラブです」と評する。
「ピンのG425やテーラーメイドのSIMシリーズを筆頭に、投影面積が大きい、いわゆるデカヘッドで、つかまりを抑えて直進性を重視……これが最新海外ブランドドライバーのトレンドです。一方で、ZX5とZX7はどちらも460ccですが、海外ブランドのドライバーと比較すると投影面積は比較的小さめでシャープな印象がありますね」(小倉勇人氏、以下同)
一方で性能面では「モデルによって味付けの違いはあれど、海外ブランドのドライバーに多いつかまりを抑えた性能でミスに強く、直進性の高い弾道が打ちやすい特性を持っています」と小倉氏。
つまりシャープな見た目を実現しつついわゆるデカヘッドが持つ性能を実現しているのがZXドライバーというわけだ。ではZX5とZX7、2モデルの違いはどこにあるのだろうか。
「ZX5は直進性を重視した仕様、ZX7はある程度操作性を持たせた仕様といった違いになります。ZX5は、見た目よりも慣性モーメントが高く適度なサイズ感なのに曲がりが少ないといった仕上がり。ZX7は最低限の弾道コントロールはできますが、結構大げさにやらないと曲がってくれない印象。それだけ基本性能の直進性が高いのでしょう」
飛距離性能、打点のミスへの寛容性は2モデルとも過去シリーズから間違いなく上がっているというが、つかまり性能については「アスリートモデルらしくどちらもニュートラル」だと小倉氏。それゆえに「右へのミスを嫌うゴルファーはあまりお勧めできません」という。
「昨今の海外ブランドのヘッドは、アスリートモデルでも投影面積が大きく、わりと鈍重なイメージを持ちやすいですが、ヘッドの投影面積が大きいと速く振るイメージが湧かないゴルファーもいます。性能は良いけどデカヘッドがどうも苦手……なんて方にピッタリだと思いますよ!」
取材協力/ユニオンゴルフクラブ