最新理論、自分のゴルフに取り入れるのは慎重に
YouTubeでのゴルフレッスンが盛んです。私自身、プロのスウィング論などを見たり聞いたりするのが大好きなのでよく見ますし、ティーチングプロによるレッスン動画もよく見ます。ただし、自分のゴルフに取り入れるかといえば、取り入れません。
先日、知人とラウンドしたところ、普段の彼からは想像もできないほどゴルフがボロボロになっていました。本人いわく、YouTubeでレッスン動画を見て「これだ!」と思い前の晩に練習場で試したら絶好調。今日はベストが出ちゃうかもとその日のラウンドに臨んだといいます。しかし、ご存知の通り、ゴルフはそう簡単ではありませんよね(笑)。
親しい仲なので、「なんで上手くいくと思ったんですか?」と聞いてみたところ、「ただでさえ上手くいってないんだから、思いっきり逆の動きをすると上手くいきそうな気がしてさ」と照れながら話してくれました。気持ちはわからんでもありませんが、なかなかそう上手くはいきません。
YouTubeのゴルフ動画は非常に多く、どれも工夫を凝らしています。軸を動かさないほうがゴルフは簡単! といった理解しやすいもの。最新ドライバーにはこの打ち方がピッタリ! というキャッチーなもの。プロがやってるこの動きがスウィングのキモ! といった説得力の高いもの。どれもキャッチーですし、魅力的です。でも、ゴルファーにはそれぞれ、それぞれのゴルフ歴だけ積み重ねてきた自分自身のスウィングっていうものがありますよね。
たとえば、急に箸の持ち方を変えたら上手に食事ができませんよね? 何十年もその持ち方でやってきて、完全に無意識になっているわけですから。それを意識的に直そうと思ったら、慣れるためには途方もない時間がかかるのは想像に難くありません。「この持ち方なら、食べ過ぎが防げる!」みたいな箸の持ち方があったとしたらついやってみたくなるかもしれませんが(笑)。でも、上手くいくかどうかは別問題です。
わかりやすいものに、我々はつい飛びついてしまいがちです。反面、30ヤードのアプローチを練習しましょう、とか、1メートルのショートパットを毎日練習しましょう、とか、1日10分ストレッチしましょう、といった地味な提言にはどうしても耳をふさぎがちです。しかし、実際に効果があり、スコアに結びつくのは、そんな地味すぎてYouTuberが取り上げないような練習法だったりもするのです。
YouTubeのゴルフレッスンはみていて非常に面白いもの。ただし、自分のゴルフに取り入れようとするときは、くれぐれもご注意を。