エピックフォージドを投入予定
天才レフティ、フィル・ミケルソンがオーガスタを奇抜なアイディアで攻略しようとしている。キャロウェイが配信したポッドキャストでのインタビューの中で、マスターズにキャロウェイの「エピックフォージドアイアン」のセットをバッグに入れて挑む可能性を語ったのだ。
日本市場では「エピックフォージド スター」アイアンがあるが、スターのつかない「エピックフォージド」は米国のモデル。エピックフォージドアイアンの性能をざっくり説明すれば、高打ち出し・低スピン・ボール初速性能を両立した、アマチュアゴルファー向けの飛び系アイアンでロフトも7番で27度とストロング設計だ。ちなみに、タイガー・ウッズが使うテーラーメイドのマッスルバックアイアン「P7TW」の7番アイアンのロフトは36度だ。
いわゆる上級者向けのモデルと比べると操作性に劣るぶん、アイアンでも正確にコントロールショットを打ちわけたいプロからは通常選ばれづらいモデルとも言えるのだが、ミケルソンに関しては10月開催のPGAツアーチャンピオンズ参戦の際もAPEX プロ、APEX MBとのコンボセットとしてエピックフォージドの4~6番を採用していたし、今年1月開催の「ファーマーズインシュランスオープン」までさかのぼれば、実際にエピックフォージドのフルセットを試合に投入していたこともある。
マスターズでもアイアンはエピックフォージドのフルセットで挑むつもりであるという。その理由についてミケルソンはこう語る。
「まずオーガスタではティイングエリアからグリーンに至るまで芝目があります。アプローチショットでもそういったライに少し沈んだボールを打つため、高弾道で打つのは難しいし、スピン量も多少増えてしまうんです」(ミケルソン)
そこでミケルソンが目を付けたのが、エピックフォージドだ。
「(エピックフォージドアイアンは)ボールをより高く打ち上げ、そしてグリーンに非常に柔らかく入ることを可能にします。ボールが非常に早くフェース面から離れるぶんスピン量は落ちますが、私はもともと非常にスピン量がかかるタイプなので、それを減らしたいと考えているんです。オーガスタのグリーンは非常に速く止まらないので、高弾道・低スピンで着弾後のランを極力減らすための選択です」(ミケルソン)
もちろんすべてのコースでエピックフォージドが有効というわけではなく、これはオーガスタ攻略のための戦略。通常のトーナメントコースでは風の影響などで、低く打ち出すなどアイアンにもコントロールショットが求められるが、オーガスタではあまり風が吹かないこともエピックフォージドを採用し、高さでランを排除できるとする根拠のひとつになっているという。
「オーガスタの1番から18番まで、すべてのアイアンショットをできるだけ高く、柔らかく打つようにします」というミケルソン。一風変わったクラブ選択、そしてオーガスタ攻略法は功を奏するのか。
それにしても、12番、16番といったパー3では一体何番アイアンを使うのだろうか。もし本当に採用するならば、来週のマスターズではミケルソンの“番手選び”にも注目だ。