プレー後に「セルフトーク」を振り返ることでメンタルミスを改善する
メンタルコーチとしてゴルフをはじめ多くのスポーツ選手をメンタルサポートする経験において、各選手に共通する点として「自分のメンタルの課題に気づいてない」ということがあります。
しかし、それはもっともなことです。なぜなら多くの場合、自分のメンタルを客観的に分析する機会に恵まれていないからです。
心理的な現象は無意識で起こっていることも多く、それを意識的に気づくためには冷静な状態で客観的に自分を分析することが必要です。そこで、心理的な要因が自分のゴルフにどんな影響を与えているかを知るための簡単かつ実践的な方法を紹介していこうと思います。
結論から言うと、それは1ラウンド18ホールの自分のプレーを1ホールずつ振り返ってみることです。「めんどくさい」という声が聞こえてきそうですが、これをすることで多くの気づきがあるのでかなりおススメです。
これは実際にプロゴルファーの方にも実践してもらうワークですが、振り返る際のポイントは1つで、ラウンド中の「セルフトーク」についてです。「何を考えて打ったのか?」を1ホールずつ振り返ってみるのです。
ちなみにセルフトークとは自己対話のことです。私たちはゴルフに限らず家庭で仕事でプライベートの時間で自分と対話をしています。「今日は調子がいいぞ」「今日はついてないなぁ」など延々と自己対話を繰り返しています。
そして、実はそのセルフトークは感情のバロメーターであり、プレーに大きな影響を与える心理的要素になります。たとえば、1ホール目のティショットで「前みたいに曲げたくないな~。また曲げそうだな」とセルフトークし、実際にボールが曲がってしまったとします。このミスのメンタル的な要因として「前みたいに曲げたくない」というセルフトークが発端となり、以前のミスショットのイメージを呼び起こし、それがスウィングに影響した可能性があります。
このように1ホールごとに「なにを考えてどう打ったのか?」というセルフトークを振り返ってみるのです。ポイントは「目の前のプレーに必要なセルフトーク、不要な思考をしていたかどうか」です。目の前のプレーに必要なセルフトークとはたとえば「このセカンドショットは風も計算してバンカーを越えたエリアに落とすイメージで行こう。いつも通りのリズムで」このような自己対話は当然、プレーに必要なセルフトークなのでOKです。
逆に不要なセルフトークとは例えば、「このセカンドショットは風も計算してバンカーを越えたエリアに落とすイメージで行こう。だけどショートしてバンカー入りそうだな。前もやったことあるし、なんか嫌な予感がする」このような自己対話には目の前のプレーには不要な思考である「過去のミスイメージ」「嫌な予感」などが入っています。これらのセルフトークが目の前のプレーへの集中を阻害している可能性が高いです。
このように20分~30分の時間をとり、1ホールごとに「何を考えてどう打ったのか?」というセルフトークを振り返ってみることで自分がどんな場面でどのようなセルフトークをしているかの傾向をつかめるはずです。
1ホールごとが大変な場合は気になるミスをしたホールのショットやアプローチ、グリーン上でのセルフトークを振り返るということで良いかと思います。
そして、不要なセルフトークが出てくるときにどのように対処すればいいかを考えていけばメンタル面の改善につながりますね。では、不要なセルフトークをどのように対処すればいいのか? これについては別に機会でいくつかの対処法をお伝えしていきたいと思います。