マスターズの前哨戦というよりメジャーに向けた最終調整の場と選手たちが位置づける、今週のPGAツアー・ヒューストンオープン。コロナウイルスに感染後のダスティン・ジョンソン(DJ)が復帰することでも話題となったこの試合は、当初タイガーが出るとウワサされ、ミケルソンは有観客であることに懸念を表明していたが……フタを開ければ真逆の結果に!?

世界ランク1位のDJは“隔離”後初戦「マスターズに間に合ってよかった」

当初マスターズ前の実戦が少ないため「出るかも」といっていたタイガー・ウッズは“やっぱり”出場を回避。11月12日開幕の異例の本番ではぶっつけで世紀の復活劇を演じた2019年のマスターズの再現を狙うことになる。

画像: ヒューストンオープンへの出場を示唆していたタイガー・ウッズ(右)は、出場を回避。一方、当初参戦に否定的だったフィル・ミケルソン(左)は一点出場を決めた

ヒューストンオープンへの出場を示唆していたタイガー・ウッズ(右)は、出場を回避。一方、当初参戦に否定的だったフィル・ミケルソン(左)は一点出場を決めた

一方ヒューストンオープンに少人数(2千人)ながら観客を入れると聞いたミケルソンはコロナを懸念し「出ないかもしれない」と語っていたが、例年通りマスターズ前のウォーミングアップを兼ね大会に出場することになった。

DJもミケルソンも初日は出遅れたが今回重要なのは結果より準備。これまでもドライバー2本体勢で挑むなど独特の感性でマスターズ3勝を挙げてきたミケルソンには今回も秘策がある。それは47.5インチのドライバー投入。「デシャンボーが48インチならこっちは47.5インチだ」と本人がいったかどうかは定かではないが、マスターズ前のおよそ1カ月“研究室(練習場)”にこもって48インチで400ヤード(キャリー)を目指してきたデシャンボーに対抗しミケルソンは2連勝しているシニアやレギュラーツアーの実戦でこれまで使っていた46インチから47.5インチへの移行を試みている。

「315から320ヤードキャリーが欲しい」。そのわけはオーガスタの難しいパー4でフェアウェイバンカーをキャリーで超えたいから。

「たとえば1番の右のバンカーや2番の左、8番や14番、17番もハザードをクリアできれば大きなアドバンテージになる。セカンドはウェッジで狙えるからね」

使うのはキャロウェイのマーベリックサブゼロ。46インチのドライバーに装着しているシャフト(KBS TD 70 C5 TX)と同じものを差す予定。最難関ホールの1つ、1番は445ヤード(パー4)。「右のバンカーをキャリーで超えられればサンドウェッジでバーディチャンスにつけられる可能性が高い。47.5インチにこだわる理由はそこにある」

一方、新型コロナウイルスに感染しCJカップとZOZOを欠場。ラスベガスのホテルで11日間の自主隔離を済ませヒューストンで復帰戦を戦っているDJは「マスターズに間に合ってホッとしている」。幸い症状は軽かったそうだが「ホテルから一歩も出ず基本何もせずに過ごすのは辛かった。感染経路がわからないのも不安だった」と打ち明ける。

画像: ダスティン・ジョンソンは自主隔離期間を終え、ヒューストンオープンから復帰する(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

ダスティン・ジョンソンは自主隔離期間を終え、ヒューストンオープンから復帰する(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

全米オープンで6位タイに入って以来の実戦。昨季の年間王者がヒューストンで準備を整えマスターズで初のグリーンジャケットを目指す。

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