松山はトップと2打差の惜敗
優勝したのはほぼ無名の29歳カルロス・オルティス。メキシコ人として42年ぶりの快挙に涙、涙。
世界ランク1位のダスティン・ジョンソンと日本が誇るエース、松山を2打差で下すと「いいプレーができていたので正直ほかの選手のことは眼中になかった。勝てると確信していた。最後まで自分のプレーができうれしい」と胸を張った。
ショット、パット、アプローチ、すべてが噛み合い最終日に7アンダー63のベストスコア(タイ)をマークし8位タイから2位タイへ順位を上げた松山にも十分勝機はあった。
池の手前に刻み残り96ヤードのサードショット勝負に出た16番(パー5)ではアプローチを4メートルに寄せてバーディ。続く17番でも4.5メートルを鮮やかに沈め連続バーディを奪うとアメリカのテレビ中継のアナウンサーが「ビューティフル!」と叫び、首位のオルティスに並びかけた。
しかしその直後再び相手のバーディで1打ビハインドの展開に。プレーオフ進出に望みをつなぐべく最終ホールで5メートルのバーディチャンスにつけたが惜しくも外し3連続バーディならず。結果1打足りずに惜敗を喫した。それでも次週のマスターズに向け勝利のシミュレーションはできたはず。日本男子初のメジャー獲りに向け松山が一段階ギアを上げている。
同じく2位タイに入ったダスティン・ジョンソンにとってこの大会はコロナ陽性による自主隔離からの復帰戦。初日こそ62位タイと出遅れたが2日目からは66-66-65と調子を上げ「間に合ってよかった」というマスターズを射程圏内に入れる復調ぶり。直近の6試合でトップ6を外していない世界ナンバー1がいよいよ初のグリーンジャケットに袖を通すときがくるのか?
そしてもう1人久々にリーダーボードを賑わしたのが決勝ラウンド65-65で追い上げ5位タイに入ったブルックス・ケプカだ。
「新しいドライバーを投入したのが失敗だった。それがなければもっと上に行けたのに」と悔しがったが、メジャーといえばケプカの本領の発揮のしどころ。ここ3年で全米オープン2勝、全米プロ2勝のメジャー男は「普通の試合よりメジャーの方がやさしい」と豪語する。彼もまたマスターズ獲りに照準を合わせるひとりだ。
いよいよ4月とは違うマスターズが幕を開ける。錦秋のゴルフの祭典を制するのは果たして…?
※2020年11月9日17時55分 文章を一部修正いたしました