ボールを飛ばしたいなら呼吸をしている暇なんてありません!(小澤)
ボールの位置やティの高さ、アドレスの足幅やバックスウィングの上げ方。アマチュアゴルファーがティショットで意識しているところはたくさんがあるが、意外と盲点となっているのが「呼吸」。どこで吸ってどこで吐くのが正解なのだろうか。早速聞いてみよう。
「まず言いたいのは、ボールを遠くに飛ばそうというときに呼吸なんてしてる場合じゃないってことなんです。呼吸してる暇なんてないんですよ、みなさん!」(小澤美奈瀬、以下同)
え、呼吸しないの? 小澤先生、どういうことかちゃんと説明してください!
「たとえば50メートル走などの短距離の選手は無呼吸で走るっていいますよね。緩まず力を入れるっていうことを考えると、基本的にその動作の最中に呼吸は邪魔になってくるはずなんですよ。だから飛ばす人でスウィング中に呼吸している人は基本的にいないですね」
なるほど、体の力を最大限に出力したいティショットでは、スウィング中に呼吸をすると力が緩んでしまい効率が悪いということか。では、どのタイミングで呼吸を止めればいいのだろう。
「わたしは、ターゲットを確認してアドレスに入った時に思い切り深く息を吐き切ります。そこからはフィニッシュまでずっと無呼吸状態です。息を吐き切ることでお腹が収縮してテンションがかかった状態になるんですね。この状態ですと緩まずバックスウィングができて、捻転のパワーも最大限スウィングに生かすことができます」
しかも小澤によると、息を吐き切ることで更なる副産物もあるらしい。
「ティショットは特に緊張しがちなので、そもそも呼吸が浅くなりやすくリズムを崩しやすいんです。深く息を吐き切ることで、呼吸をリセットして普段のリズムを取り戻しやすくもなるんですよ」
ちなみにこの“飛ばしの呼吸法”、あえて使わないことで逆にプレーに活かせることもできると小澤。
「たとえばバンカーショットなどであえてダフらせたいときには、息を吐きながらダウンスウィングし、吐き切る瞬間くらいでインパクトすると、いい感じに体が緩んでくれてクラブヘッドが落ちてくれるので上手くいきやすいです。ただし、ヘッドを走らせてスピンをかけていくようなバンカーショットでは息を吐きながら打つと緩みすぎて上手くいかないので気をつけてください」
気にしている人は少ないが、意識すると奥が深い“飛ばしの呼吸”。みなさんも意識してみてはいかが。