井上透「DJが最有力候補」
井上透……穴井詩、成田美寿々らを指導するプロコーチ。海外の最新理論や最新機器を積極的に導入。東京大学ゴルフ部監督も務める。
【本命】ダスティン・ジョンソン
いよいよダスティン・ジョンソンがグリーンジャケットを手にするのではないかと予想します。昨シーズンから今シーズンにかけて安定した成績と先週2位タイで終えた流れの良さもあります。心配なのはハプニングだけです。トラブルが起こらなければ最有力選手であることは間違いないと思います。
【対抗】松山英樹
期待を込めてになりますが、世界屈指のショットメーカーですからそれを生かしてオーガスタを攻めてもらいたい。グリーンの状態も少しソフトだと聞いているのである程度止められるグリーンであればチャンスは出てきます。最終的にはグリーン上になるとは思いますが、先週のプレー内容を踏まえてもいい流れ、調子で入っていけるというのは非常に大きいと思います。
「デシャンボーの圧倒的な飛距離はやはり強い」
堀口宜篤……ゴルフスタジオ・PGST所属。通称・ノリー。海外の指導者たちの親交が深く、最新理論にも詳しい。ギアへの造詣も深いティーチングの専門家。
【本命】ブライソン・デシャンボー
ダスティン・ジョンソンとも迷いましたが、やはりデシャンボーの飛距離のアドバンテージは大きいです。ロングホールであっても2オンできる飛距離を持っていますし、2打目もワンレングスアイアンならではの高弾道でグリーンを狙えます。高さでボールを止められるのも強い点でしょうね。
【対抗】パトリック・カントレー
松山選手のメジャー初制覇やタイガーの2連覇も期待したいところですが、対抗馬にはカントレーを挙げたいと思います。ショットの安定感が魅力的で、今季はZOZOで勝利、昨季の大会でも常に上位で戦っている選手なので、ハマれば優勝もあるのかなと思っています。
中井学「今期調子が良くオーガスタの知識もあるラーム」
中井学……アメリカでゴルフを学び、日本でプロコーチとして活躍後、43歳にしてプロテストに合格。ツアープロとしても戦う。マスターズ予想企画常連。
【本命】ジョン・ラーム
BMW選手権で優勝していますし、ZOZOでは単独2位と、他の試合でも好成績を収めてます。その結果を見ても、プレーを見てもショットはもちろんのこと全体的に調子が上がっているラームが本命だと思いますね。それと、これはラームと対抗に挙げたマキロイどちらにも言えることですが、会場であるオーガスタナショナルGCを知っているということが一番大きいです。
【対抗】ロリー・マキロイ
こういった予想をするときにここ数年はマキロイの調子を基準にしています。その理由は調子が良かったら必ず上に上がってくる選手だから。ただ今年は直接スウィングを見ることができていないのでジャッジが難しいというのが正直なところです。試合結果を見ても全米オープンでトップ10入りしているので、決して調子は悪くないはず。彼がいつも通りプレーをすれば勝つ可能性は十分高いと思います。
【期待枠】コリン・モリカワ
彼は全米プロで優勝していますし、なによりショット力がずば抜けています。ただオーガスタはグリーンを制することができるかがカギになりますが、コリンはグリーンに慣れていない可能性が高い。なので、グリーン面を攻略できたら上にくる可能性は十分あると思います。
永井延宏「デシャンボーの新しいオーガスタ攻略に期待」
永井延宏……古今東西のゴルフ理論に精通するティーチングプロ。独自の切り口、語り口にファンが多い。
【本命】ブライソン・デシャンボ―
去年タイガー・ウッズが「僕の頭の中にはオーガスタの図書館があってそれ通りプレーした」とコメントをしていたように、マスターズは4大メジャーの中で唯一開催コースが同じで、コースの特性、攻め方のコツがはっきりしています。その歴史を塗り替え、デシャンボ―による新しいオーガスタの攻め方が誕生する可能性がある。従来とは違うオーガスタを攻略するルートへの期待と、それが上手くハマったときには優勝に近いところにいるんじゃないかなと思いますね。
【対抗】マシュー・ウルフ
昔は、オーガスタナショナルGCというコースは回り慣れている人が有利だといわれていました。ですが、オーガスタのキャリアのない選手のなかで、オーガスタの教科書通りじゃない攻め方をして優勝の可能性があるとすればマシュー・ウルフ。飛距離もそうですし、オーガスタを知らない今の彼の感覚でどういうイマジネーションを持ってコースに対応するのか、期待したいです。
みんなのゴルフダイジェスト所属プロ・中村修「前哨戦2位と調子が良い松山」
中村修……みんなのゴルフダイジェスト編集部員、PGAティーチングプロ。ツアーの現場から、最新理論・最新ギアまで、ゴルフの最前線を取材。
【本命】松山英樹
世界最高峰のアイアンショットと称されるアイアンの精度と繊細なアプローチの技術で先週は2位に。昨シーズンから懸念されていたドライバーショットの安定とパットの波が改善され、一段上がった印象があります。最終日に優勝争いに絡める位置にいる展開になると、マスターズを制覇をする姿が見られるのではないでしょうか。
【対抗】ブライソン・デシャンボー
昨シーズンから取り組んできたプレースタイル変更の成果を出してきたデシャンボー。タイガーが飛距離で圧倒し初優勝したあの衝撃が再び起こるのではないかと感じています。事前の公式会見では練習ラウンドのセカンドで使ったクラブを聞かれるとショートアイアンばかりの答えでした。使用するワンレングスのアイアンは短い番手になるほどシャフトの長さが高弾道を生むメリットを生かして優勝争いに絡んでくることは間違いないでしょう。
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有識者5名の優勝予想本命をまとめると名が挙がったのはDJ、デシャンボー、ラーム、松山の4名。うちデシャンボーが2票を集めて一歩リードした形となった。
果たしてこの中から優勝者は現れるのか。注目の初日は日本時間21時よりスタートだ。