現在開催中の海外メジャー「マスターズ」。その初日のプレーの模様を、プロゴルファー・中村修がレポート!

今回のマスターズは秋の開催ということもあり、日没時間を考慮して初のインアウトに分かれてのスタート方式を採用。初日は強い雨によって約3時間の中断もありましたが、現地は風もなく半袖でプレーできるくらい暖かい天候のようでしたね。

リーダーボード上位選手の中でも注目なのはやはり、史上初の2度目の連覇を狙うタイガー・ウッズでしょう。初日は4バーディノーボギー、4アンダーの暫定4位タイでフィニッシュ。プレーを見た限り、いつもよりもスピードの遅いグリーンへ対応していますし、体のコンディションも上々なようです。

画像: 2連覇を狙うタイガー・ウッズは初日を4アンダー暫定4位タイでフィニッシュ(写真/2020 Masters Tournament)

2連覇を狙うタイガー・ウッズは初日を4アンダー暫定4位タイでフィニッシュ(写真/2020 Masters Tournament)

調子の良さを示すように、ラウンドの中ではティショットをフェードで打ったりアイアンでのライン出し、タイガーらしいフォローの短いパットなど、ショット、アプローチ、パットの随所に多彩な技術を散りばめながらオーガスタを攻めていました。

その姿は、去年のマスターズ同様、強いときのタイガーが戻ってきたという印象で、どのシーンを見てもとてもワクワクするプレーでしたね。

体力的にもサスペッデッドを回避し4アンダーで初日を終えたのはすごく大きいです。あとは2日目以降の天候が気になるところ。寒くなるとどうしても体が動かなくなってくるので、今日みたいに暖かい天候が続けば非常に面白い展開になるのではないかなと思います。

そして、日本の松山英樹選手も5バーディ1ボギー、4アンダー暫定4位タイで初日を終えました。スタートホールの10番でセカンドを打ったあと、強い雨の影響でいきなりプレーが約3時間中断されましたが、流れを切らずに見事パーで切り抜けましたね。

画像: マスターズ初日を4アンダー暫定4位タイで終えた松山英樹(写真/2020 Masters Tournament)

マスターズ初日を4アンダー暫定4位タイで終えた松山英樹(写真/2020 Masters Tournament)

ショットを見ても球が散らばることもなく安定感がありました。いくつか惜しいパットはありましたが、上がりの8、9番では連続バーディを勝ち取って良い流れを維持したままフィニッシュ。初日のスコア68は松山がマスターズに出場した中でも一番良い出だしですから、明日以降のプレーも楽しみです。

リーダーボードを見ると、以下すべて暫定順位ではありますが、首位はイングランド出身の43歳ポール・ケーシーで7アンダー、松山と同組のウェブ・シンプソン、ザンダー・シャウフェレが5アンダー2位タイで続き、1打差4位タイグループに松山英樹、タイガー、パトリック・リード、ジャスティン・トーマス、マシュー・ウルフ、アダム・スコットらがいます。

トーマス、スコット、ウルフらは後半のプレーに入ったばかりでサスペンデッドを迎えたので、ここからさらにスコアを伸ばす可能性が大いにありますね。

一方ロリー・マキロイ(イーブンパー48位タイ)、ブルックス・ケプカ(1オーバー66位タイ)は出遅れた形。

開幕前から注目を集めていたブライソン・デシャンボーは9番ホールで364ヤードを飛ばすなどその飛距離を見せつけましたが、今日はドライバーがやや不安定なこともあり2アンダー19位タイ。ただ、明日以降は巻き返してくることでしょう。

例年の4月開催よりセカンドカットが少し長くフェアウェイもランがない、グリーンがソフトということで、ピンをダイレクトに狙うアグレッシブなプレーも見られました。とくにショートアイアンではスピンのコントロールをしながらアグレッシブに攻める必要が出てきます。

注目を集める選手たちが上位に名を連ねた秋のマスターズ。これはかなり楽しみな週末になりそうですね。

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