暫定順位ではあるが、初日から69、70とアンダーパーを並べてスコアは5アンダー。首位と4打差の19位タイと優勝を狙える位置につけているミケルソン。
マスターズ3回制覇の名手なんだから当然……といえば当然なのだが、今季のミケルソンはシニアツアーでは2戦2勝と絶好調なものの、レギュラーツアーでは4戦に出場して2回予選落ち、最高順位は44位タイと精彩を欠いている。
データを見るととくに足を引っ張っているのがティショット。ティショットのスコアに対する貢献度の指標を見ると、なんと全体の269位タイと、大いに足を引っ張っている。平均飛距離こそ306.8ヤードで56位なのだが、いかんせんフェアウェイキープ率が36.42%で280位と悪い。
ところが、マスターズ前にシニアとZOZO選手権の2試合で47.5インチの試運転を済ませると、マスターズでは長尺ドライバー(と2番ウッドの組み合わせ)でティショットが大幅に安定。初日はフィールド平均より11ヤード+の平均302ヤード、2日目はフィールド平均286ヤードに対して295ヤードとかっ飛ばしている。さらに、フェアウェイキープ率は2日間で75%。これもフィールド平均は69%だから、「飛んで曲がらない」を実現。好スコアへとつなげている。
戦前、ブライソン・デシャンボーが48インチを投入するかも? という話題でもちきりだった今年のマスターズ。ふたを開けてみれば、長尺でアドバンテージを握ったのはオーガスタを知り抜くレフティだった。
マスターズの最年長優勝はジャック・ニクラスの46歳(1986年)。もし今年ミケルソンが勝てばその記録を大幅に更新することになる。マスターズ4勝となれば、アーノルド・パーマー、タイガー・ウッズに並ぶ史上2位タイだ。
47.5インチという強力な武器を手にしたミケルソンはゴルフ史に残る偉業を刻めるか、寝不足必至の週末になりそうだ。