クラブが進化し、弾道計測器などのテクノロジーで弾道やスウィングの秘密も可視化されてきた現代。そんな時代の“新たな基本”を、気鋭のコーチ・目澤秀憲に教えてもらおう。第一回は、自分のタイプの知り方だ!

一番力を加えられるインパクトの形で3タイプに分かれる

「軌道がアウトサイドインだからスライスするんだよ」

こんなふうに言われたことのあるゴルファーは多いはずだ。アウトサイドインでスウィングすると、ボールは左に出て右に曲がるスライスボールになる。実はこれ、一昔前の常識なのだ。

インパクトや弾道の解析が進んだことにより、ボールの打ち出し方向はフェース向きによってほぼ決まり、ボールにフックやスライス回転を与えるのは、軌道に対するフェースの向きのズレであることがわかってきている。

これはあくまでも一例に過ぎないが、解析機、測定器がここ10年ほどの間に大幅に進化したことで、ゴルフの“常識”は少しずつ変化しつつある。同時にクラブも軽量化、大型化、大慣性モーメント化が進んだことで、スウィング理論にも修正が加わっている。

そんなゴルフ新時代の“新たな常識”をコーチ・目澤秀憲に教わろうと彼の門を叩くと、まず知るべきは自分のスウィングタイプですと教えてくれた。

画像: 左から右股関節の上に軸を置くダスティン・ジョンソン、センター軸のタイガー・ウッズ、左股関節に軸を置くブライソン・デシャンボー(写真/姉崎正)

左から右股関節の上に軸を置くダスティン・ジョンソン、センター軸のタイガー・ウッズ、左股関節に軸を置くブライソン・デシャンボー(写真/姉崎正)

「腕の長さや関節の可動域、運動歴や筋肉の付き方など、人の動きを決める要素は様々です。身体的特徴を生かし、故障のない効率の良いスウィングを目指すことが大切です。体の特徴を生かした力を出しやすいインパクトの形から、スウィングタイプは3つに分けることが可能です。まずは、自分がどのスウィングタイプかを知ってもらいたいんです」(目澤)

「○○打法」のように、ひとつの打ち方を覚えるのが上達につながるという考えは強いが、欧米では早くからゴルファーひとりひとりに合わせた無理のないスウィングをするべきという考えが強い。

タイガー・ウッズとダスティン・ジョンソンとブライソン・デシャンボーではスウィングのタイプが異なることは一目瞭然だが。「それでいいんです。グリップの握り方や構え方、トップの形やインパクトの形までも体の使い方のタイプによって変わってきますから」と目澤は言う。

「まず初めに、インパクトバッグのような重さのあるものをクラブで押してみてください。その際、インパクトのカタチをつくり、もっとも力が出せるのはどんな体勢かを確認してもらいたいんです。やってみると、人によってスタンスの中心に軸を感じると力を出せるセンタータイプ、左股関節の上に体の軸を感じて力を出せる左軸タイプ、右股関節の上に軸を感じて力を出せる右軸タイプの3タイプに分かれます。どのタイプが良い悪いというのはなくて、どのタイプでもいいのですが、自分のタイプを知ることで構えやトップでの荷重の仕方も変わってくるんです」

画像: しっかりと力を出せるインパクトの形で右軸、センター、左軸の3つのタイプに分けることができる。自分のタイプを知っておこう

しっかりと力を出せるインパクトの形で右軸、センター、左軸の3つのタイプに分けることができる。自分のタイプを知っておこう

アドレスではやや右重心がいいとか、いやセンターだとか、体重移動はするべきだとかしないほう良いだとか、ゴルフではとかく教わる人によって言うことが違うということが起こるが、タイプが違えば教え方も違うということのようだ。

だからこそ、「自分にとっての正解」を早めに知っておくことが上達につながる。

「タイプの違いによって、テークバックの脚やひざの使い方、トップでの上半身の位置など真似すべきプロのスウィングも変わってきます。自分のタイプに合わないプロをお手本に練習してもなかなか上手くいかないこともあります。自分のタイプを知った上で目指すべきスウィングを決め、自分にとっての基本を学ぶことが上達の近道なんです」

というわけで、まずは自分のタイプを知ること。その上でどうスウィングを作り上げていくかは、また次の機会にお伝えするので、お楽しみに。

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