OB、池ポチャ、3パットとミスのオンパレードに浮かび上がるネガティブな思考。ゴルファーならだれでも感じたことのある「イライラ」、「不安」や「恐怖」をどう処理したらいいのか。プロも教えるメンタルコーチ・池努が「あるがままに受け入れる」方法を教えてくれた。

理想があるからギャップが生まれる

「ネガティブ思考は排除しないほうがよい!?」というテーマでお届けしていきます。このタイトルを見た時に「ネガティブ思考は排除したほうがいいだろ」とツッコミがきそうですが今回の記事をチェックした後はうなずけるようになるかと思います。

さて、ゴルフでミスを連発したとき、ティショットを大きく曲げてOBを打ってしまったとき、私たちはそのミスに対する「イライラやむかつき」、また同じミスを繰り返すかもしれないという「不安や恐さ(恐怖)」を感じたりするものではないでしょうか。

ちなみにこれらのイライラや不安などの感情はゴルフのレベルやゴルフへかける時間や本気度が上げれば上がるほど大きくなる傾向にあります。もちろん、仕事でも日常生活でも「なぜあの上司はこんな言い方しかできないのだろうか……」「うちの子はなぜいうこときかないのかしら……」とイライラすることや不安になることは日常茶飯事です。

画像: ティショットを大きく曲げてOBや池ポチャ……。ミスをしてしまったときに生まれるネガティブな感情はどう対処するのが良い?(写真はイメージ)

ティショットを大きく曲げてOBや池ポチャ……。ミスをしてしまったときに生まれるネガティブな感情はどう対処するのが良い?(写真はイメージ)

ここではそれらのイライラや不安に対する対処法について、日本発祥の心理療法である森田療法を参考に紹介していきます。心理学や心理療法と聞くと欧米の大学などの研究による情報のイメージが強いですが、この森田療法は1920年頃、精神科医の森田正馬氏により生み出されたもので、現在も不安障害やパニック障害の治療にも応用されているものです。

一般的にイライラや不安などのいわゆるネガティブな感情と呼ばれるものは排除していきたい、なくしていきたいと考えるのが普通だと思います。このように「ネガティブ感情は排除すべき」というとらえ方は西洋的な考え方だと言われています。

しかし、森田療法ではイライラや不安、恐怖などの感情を「あるがままに受け入れる」という受容的手法でアプローチをします。あるがままに受け入れるという受容的手法ですので、ネガティブな感情を悪いものや異常なものととらえ排除しようとするのではなく、理想や願望があるからこそ生まれる感情だととらえ、イライラや不安、恐怖などの感情も誰にでもあるものとし、あるがままに受容していくのです。

たしかに、目標スコアもない、理想のスウィングやプレースタイルもないという状態であれば次のプレーに対しての不安や恐怖は生まれません。目的や目標があるからこそ、現状とのギャップが生まれます。しかし、そのギャップに対して生まれる感情を否定的にみることなく、あるがままに受け入れていくことが心理的な安定につながるのです。

実際にこの森田療法を私がサポートするプロゴルファーに活用してもらっていますが、日常やゴルフでネガティブな感情がおきたときに森田療法を意識することで多くのゴルファーは「ネガティブな感情がでたときに『あるがままに受け入れよう』と自己対話することで感情の落ち着きがわかる」と話します。

森田療法でも言われていることですが、人はより良い生き方、人生にしたいという欲求を持っています。この記事を読まれているゴルファーの方も少しでも良いゴルファーになりたいと願っている方が多いと思います。そのように理想を掲げることにより出てくるイライラや不安、恐怖などの感情は想定内としてその感情を評価せずに受け入れていくことで自分がとるべき行動への影響も減るはずです。

この森田療法の「あるがままに受け入れる」という感情へのとらえ方はかなり使える情報だと思いますのでとくにラウンドやコンペ、大会時に意識して試してもらえるとより良いメンタルマネジメントにつながるはずです。ぜひ、ご活用ください。

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