SIM2とSIM2MAXが“リストオン”!
R&Aのリストに掲載されたニューモデルは2種類。ひとつは「SIM2」、もうひとつは「SIM2MAX」だ。名称から現行モデルの「SIM」「SIM MAX」の後継機と考えていいだろう。
メーカー未発表で公式の情報は一切なく、R&Aのサイト上の白黒写真から予想するしかないのだが、目に見える変化が一点ある。SIMから移動式ウェートがなくなっているのだ。この「スライディング・ウェイト」はここ最近のテーラーメイドのドライバーの“定番”とも言える機能だっただけに、ここは大きな変化と言えそうだ。
その代わりに、ソールのフェース寄りに設けられた溝「スピードポケット」のすぐ後ろにウェイトが配置されているのが見て取れる。そのウェイトの周辺には「HIGH MOI(高慣性モーメント)」「LOW SPIN(ロースピン)」の文字。
ソールには前作から搭載されたヘッドからはみ出るようなかたちで巨大なウェイト(イナーシャジェネレーター)が設置されているように見えるから、ヘッド後方と前方のふたつのウェイトにより大きな慣性モーメントと低スピンを生み出すような仕組みになっているのかもしれない。
そして、これまた白黒画像なので判断が難しいが、ソールのカーボン比率が非常に高いように見える。ソールをカーボンにして余剰重量を生み、それを周辺に配分して慣性モーメントを高める……そんな工夫がされているのかもしれない。
また、反発性能をギリギリに保つスピードインジェクション、曲がりを抑えるツイストフェースといったテクノロジーは健在のようだ。「フォージドアルミニウム」という文言も見て取れるようだが、それがどのような素材で、どう使われているのかは不明だ。
SIM2はどんなクラブ?
一方のSIM2MAXはといえば、SIMとSIM MAXのように可変式ウェイトがある/ないのような明確な違いはなく、白黒なのでデザインの細部はわからないが、一見よく似ている。注目はSIM2同様にフェース寄りに配置されたウェイトで、そこにはSIM2にあった「LOW SPIN」の文字がなく「HIGH MOI」だけの表記となっている。
もしかしたら、SIM2はより低スピンで飛距離を追求するタイプ、SIM2MAXはある程度スピンが入り、安定した弾道で飛ばせるタイプ、という棲み分けがされているのかもしれない。いずれにしても、移動式ウェートが廃された両モデルの特徴がどう異なるのかは、メーカーの発表を待ちたい。
さて、「SIM2」シリーズとしてR&Aのリストに掲載されたのはこの2モデルのみ。「SIM」シリーズで人気を博した「SIM MAX-D」の後継にあたるモデルはひとまずリストには乗っていないようだ。もしかしたら、追加モデルとなるのかもしれない。現状では左利き用も未掲載だ。
今週末は、アメリカでメジャー王者とその家族がタッグを組んで戦う「PNCチャンピオンシップ」が開催され、ここにはタイガー・ウッズが息子のチャーリーくんと一緒に出場する。タイガーといえばテーラーメイドの看板プロの一人。リストオンしたこで「SIM2」を使用することも可能だが……。
例年にならえば、ドライバーの公式発表は年が明けてから。しかし、発表の前からプロたちが試合で使用し、その性能を証明するのが毎年の恒例行事ともなっている。「SIM2」はどんなプロたちが使い、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。そしてアマチュアゴルファーにどんな恩恵をもたらしてくれるのか。
引き続き、ウォッチしていきたい。